山崎賢人、“王騎”大沢たかおと過ごした7年は「濃厚で忘れられない、大切な時間」最終章『キングダム 大将軍の帰還』が大ヒットスタート
累計発行部数1億部を突破する原泰久による漫画「キングダム」を原作とした実写映画シリーズの最新作『キングダム 大将軍の帰還』の初日舞台挨拶が7月12日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、山崎賢人、吉沢亮、大沢たかお、清野菜名、岡山天音、三浦貴大、新木優子、佐久間由衣、小栗旬、佐藤信介監督が出席。山崎と吉沢が、約7年間を一緒に過ごしてきた王騎役の大沢に寄せる想いを明かした。 【写真を見る】約7年間を過ごした山崎&吉沢も感謝!「後悔のないすばらしい時間でした」と心を込めた大沢たかお 中国春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍になるという夢を抱く少年、信(しん・山崎)と、中華統一を目指す若き王、嬴政(えいせい・吉沢亮)の歩みを壮大なスケールで描く本作。第4弾となる本作では、前作『キングダム 運命の炎』(23)で信と秦国の総大将として戦地に舞い戻った大将軍、王騎(おうき・大沢たかお)が、隣国である趙(ちょう)との総力戦を繰り広げた「馬陽の戦い」の続きが描かれる。12日より全国532館で公開され、15時時点で前作『キングダム 運命の炎』(2023年7月28日公開/興収56億円)対比121パーセントを記録。集大成にふさわしい、シリーズ史上ナンバーワン確実の大ヒットスタートを切った。 主人公の信を演じている山崎は、上映後の会場を見渡して感無量の面持ち。2019年にシリーズ1作目の『キングダム』が公開となり、ついに最終章となる本作が初日を迎えたが、「1作目の撮影時期から考えると、7年くらいを『キングダム』、信と共に生きてきました。今回の最終章に向けてスタッフやキャストみんなで熱い想いを持って積み重ねていったものを、ついに皆さんに観てもらえる日が来たと思うと本当にうれしいです」と喜びをかみ締めていた。 吉沢は「(シリーズが)愛され続けていることがうれしい。自分自身も嬴政と共に成長できているというか、そういう実感をすごく感じられる作品だったので光栄ですし、最終章というのがちょっと寂しいなと思います」と素直な心情を吐露。大沢は「『大将軍の帰還』を一つのゴールに掲げていた。(プロジェクトが始まった)当時は夢のようで、『そこまで行けたらいいね』くらいでしたが、撮影から7年、公開が始まってから5年の時を経て、こうして初日を迎えられた。映画人としても俳優としても、本当に幸せ」としみじみと語った。 また謎多き天才軍師、李牧役の小栗、李牧を支える剣士のカイネ役の佐久間は、本作のイベントに初登場となった。小栗は「僕も信や王騎のチームに入りたかったな。皆さんからしたら『コイツ最悪だ』と思われたはず。今日もここに来るのが憂鬱でした」とこぼして、会場も大笑い。佐久間は「原作を読み返したり、いままでのシリーズを観ていたこともあって、キャストの皆さんを目の前にしてガクガク、緊張が止まらない」と目尻を下げた。小栗とは初共演となった山崎は、「小栗さんの李牧が仲間だったらいいのになと思うくらい」と打ち明けて会場を笑わせながら、「それぐらい小栗さんの李牧は、圧倒的な強さと存在感がある敵だった。すごかった」と圧倒されていた。 そして山崎と吉沢が、大沢への想いを口にする場面もあった。大沢と過ごした時間はどのようなものだったかと問われた山崎は、「信が天下の大将軍を夢見て、王騎将軍からいろいろなものをいただいたように、自分も信を演じていくなかで、大沢さんの王騎将軍からいろいろなものをいただいた。『キングダム』を象徴するような、王騎将軍というとてつもなくデカい存在の大沢さんが近くにいてくださることで、おもしろい『キングダム』を作っていこうという気持ちにどんどんなっていった」と熱気あふれる撮影を振り返り、「7年間すごく長かったんですが、濃厚で忘れられない、大切な時間です」と特別な時間になったと話す。 吉沢は「振り返ってみると、嬴政にとって一番大事なセリフを言うところは、全部が王騎に対してだった。嬴政にとってのうちなる炎、覚悟が見える瞬間は、常に王騎が目の前にいた」と切りだし、「でも、大沢さんの完璧に仕上がっている現場の王騎を目の前にすると、簡単に言葉が出てこないというか。さらっと言えるムードではないんです。その圧力やオーラをもらいながら、そこを超えて、言葉を発していかなければならない。僕自身も現場で、そういった覚悟みたいなものを常にもらっていました。大沢さんの存在に影響されて、僕以外の役者さんも気合が入ったと思いますし、大沢さんの存在がこの作品のグレード、核みたいなものを一段も二段もあげてくださった気がしています」と尊敬の念を打ち明けた。 2人の言葉を聞いた大沢は、「この2人はここで見るとすごくやさしい青年なんですが、現場で会うと怖いぐらい目がギラギラしていて。本当に信であり、嬴政でいてくれる。僕が若い時にそんなことは、絶対にできなかっただろうなと思う」と柔らかな笑顔を見せつつ、彼らを称えた。「彼らと7年を一緒に過ごしてきましたが、会うたびにカッコよくなって。俳優としても人間としても魅力的になっていって、いつの間にか彼らのほうが輝いているんじゃないかと不安になったりもするんだけど、それが同時にうれしかったりもして。『キングダム』はこの2人の軸をした話なので、2人と仕事ができてよかった。僕も、彼らから受けたものは大きい。彼らじゃなかったら、自分は王騎をできなかった」と並々ならぬ信頼を寄せていた。 最後に大沢は「準備を入れると8年間、やってきました。俳優としても、すごく幸せでした。自分と共演者の仲間たちとできただけじゃなくて、観てくれたファンとも同じ時を過ごしてきて、同じように自分も育ててもらった。こんな作品、多分この先にも、前にもない。この作品に触れられたことに心から感謝しています。後悔のないすばらしい時間でした」と心を込め、シリーズごとに驚くような熱演を見せた大沢を称えるように会場からは大きな拍手があがった。山崎は「自分一人ではなにもできないなと思います。『キングダム』を最高のものにするために気合を入れてやってきた。みんなに支えてもらいながら、一作ずつ重ねてきて。今回はついに集大成。込められるものは全部込めて、みんなで頑張ってきました。皆さんも一緒に熱くなってもらえたから、ここまで来られた」とシリーズのファンにも背中を押されたと、感謝を伝えていた。 取材・文/成田おり枝 ※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記