イスラエルの国旗

イスラエルが戦争拡大の様相を呈している中東戦争で勢いを取り戻したものの、葛藤の終息を含めた長期戦略がないという指摘が出ている。 ワシントン・ポストは６日（現地時間）、「イスラエルが確かに複数の戦闘で現在としては勝利しており、イスラエルのネタニヤフ首相の政治的立場が固まっている」とし、「しかし専門家の間ではこのような勝利でどのような変化をもたらすか不明であり、葛藤終息が実現する可能性はほとんどないという意見が広まっている状況」と指摘した。 カーネギー国際平和財団のアーロン・デイビッド・ミラー上級研究員は「イスラエルの軍事的成功は、彼らが表面的に掲げるイスラエル北部の奪還という目標につながるか不透明だ」として、現在進行中の無差別的な戦闘戦略の不在を指摘した。ある米国当局者は「ヒズボラ攻撃では確実なイスラエルの戦略が存在する」として「しかしその次が何であり、どのようにそれを達成するかについては明確ではないようだ」と雰囲気を伝えた。 イスラエルは、自国に対するイランのミサイル攻撃に対し、再報復の方針を明確にしている。専門家の間では、核施設への攻撃を含め、石油生産施設、軍基地などに対する攻撃の可能性が取りざたされている。 イランもイスラエルの再報復の動きに関連して対応に乗り出した。ロイター通信によると、同日、モフセン・パークネジャード石油相は湾岸海域の原油輸出ターミナルを訪問し、同地域のイスラム革命防衛隊（ＩＲＧＣ）海軍司令官と会談して石油施設の安保維持に向けた持続的な努力を促した。 ニューヨーク・タイムズ（ＮＹＴ）など外信は３日、イスラエルのレバノン・ベイルート空襲後、ＩＲＧＣ精鋭のコッズ部隊のイスマイル・ガアニ司令官（６７）の行方が不明で、イラン内部がざわついていると伝えた。だが、イランの反官営のメフル通信は７日、イランのマスジェディ副司令官はこの日、テヘランで開かれたある行事で「ガアニ司令官は安全で、自身の任務を遂行している」と述べたと報じた。 イスラエル軍は同日もレバノンの首都ベイルート南部地域を猛爆した。イスラエル軍は、レバノン武装政派「ヒズボラ」の隠れ家である地下トンネルを急襲し、数十人の組織員を射殺し、兵器を大量に押収したと明らかにした。ネタニヤフ首相はガザ戦争１周年を翌日に控えた６日、レバノンと国境を接しているイスラエル北部の軍事基地を訪問し、将兵たちに「戦おう」とし「我々はともに戦い、ともに勝つ」と述べた。 ヒズボラは７日未明、イスラエル北部の都市ハイファ近くのイスラエル軍基地に向けてロケットを発射して対抗した。イスラエル軍は一部を迎撃したと明らかにしたが、イスラエルメディアは約１０人が負傷したと伝えた。ハマスも同日、テルアビブなどに向けてロケットを発射し、イスラエル軍はロケット発射地点を攻撃するため、住民に避難を警告した。 一方、同日公開された米ブラウン大学の「戦争費用プロジェクト」報告書によると、ガザ戦争が始まって以来、米国のイスラエル軍事支援規模が少なくとも１７９億ドル（約２兆６５００億円）と推算された。