コンドームを1000個爆買い、購入前の商品開封、店内でYouTube撮影…秋葉原「エロタワー」がインバウンドで大変なことに「客の5割以上が外国人観光客、土日は満員電車なみに混雑」
一時期はコンドームが購入制限に
中国人による爆買いによる影響で、品薄になる弊害もあった。 「よく中国人から『コンドームを1000個買いたい』『TENGAをあるだけくれ』と言われることもありました。日本製のほうが良質のようで、2019年頃はゼロワン(オカモト社が展開する0.01ミリのコンドーム)の供給が追いつかず、1人3個までと購入制限が設けられたほどでした。 中国では風俗やAVが禁止されているものの、アダルトグッズ自体は規制されていないんです。当店では10%の免税が効くので、おそらく大量に買い込んで、現地のECなどで転売しているのでしょう。現在はメーカーが輸出している背景もあり、爆買いする人は減りましたが、なかにはカゴ10個ぐらい大量に買い込んだり、30万円のラブドールを購入する人もいますね。 他にも韓国やヨーロッパでは、関税の影響でアダルトグッズがかなり高いそうです。最近訪れた韓国人に聞くと、日本だと500円程度で買えるTENGA社のオナホールが、現地だと2000円近くすると嘆いていました。20代ぐらいの韓国人グループが、みんなで同じものを買っていく光景をよく目にしますよ。 インバウンドの購入比率が高すぎるので、売れ筋が変化して、国内のほうの需要を見失いそうになるという弊害もあります。今後もインバウンドは増え続けるので、国内と国外の来店客がともに快適になるような店づくりを心がけないといけないですね」 JTBの調査によれば、2024年のインバウンド数は、コロナ禍以前となる2019年を4%上回り、1981年の調査開始以来、過去最高となる。観光特需が起こるのはうれしいはずだが、ときと場所によっては単純には喜べないようだ。 取材・文/佐藤隼秀