新庄・2人殉職の現場付近、水の流れ分析 山形大研究ユニットが学会報告へ
庄内、最上を中心とした、7月の記録的な大雨で、新庄市本合海の現場に出動した新庄署員2人が流され、殉職した事案で、堤防が決壊し、氾濫原にあふれた河川水でパトカーが流されたとされる当時の状況について、山形大災害環境科学研究ユニットは5日、分析結果を8~10日に同大で開かれる日本地質学会学術大会で報告すると発表した。 同大の阿子島功名誉教授=地形学=は、殉職した署員2人が乗り、流されたパトカーが見つかった福田山橋付近の上流側で堤防が決壊、新田川の水が氾濫して水があふれ出し、現場付近に速い流れができた―と分析していた。同ユニット所長の本山功理学部教授によると、草木などの残置物の状況から、この決壊箇所より上流部でも複数の場所で決壊し、流出水が多くなったことなどを新たに示すという。 同大会ではポスター展示で報告し、新田川の堤防決壊の要因の他、今回、酒田市で起きた土石流、市街地の浸水に関する調査結果も盛り込む。本山教授は「学会で集まる専門家たちに被害状況などを周知し、防災に向けた多角的視点での議論につなげたい」と話した。