子どものあざ 物心つく前に治療すべき理由3選! 医師が勧める “あざを綺麗に消す方法”とは
子どものあざは様々な種類があり、なかにはレーザーで綺麗に治せるあざもあります。最近では医療技術が進化したことから「できるだけ小さいうちにあざ治療をした方がいい」と考える傾向があるようです。 【イラスト解説】パパママ必見! 無視できない子どもの異変7選 今回は子どものあざに対しておこなわれるレーザー治療について、「よしクリニック」の中野先生に詳しく教えていただきました。
子どもにできるあざの種類
編集部: 子どもにできるあざには、どのような種類があるのでしょうか? 中野先生: 一般的に、あざは色の違いによって「赤あざ」「青あざ」「茶あざ」「黒あざ」があります。例えば赤あざの場合、子どもにできやすいものとして「乳児血管腫(いちご状血管腫)」や「単純性血管腫」があります。これらは血管の異常で、血管が拡張したり増殖したりすることによってできるものです。 編集部: 青あざには、どのようなものがありますか? 中野先生: お尻や腰以外の場所にできる「異所性蒙古斑」や、上下の眼瞼や頬などに見られる「太田母斑(ぼはん)」が考えられます。 編集部: そのほかのあざについてはいかがでしょうか? 中野先生: 茶あざには「扁平母斑」、黒あざには「ほくろ(色素性母斑)」があります。 編集部: 様々な種類があるのですね。 中野先生: そうですね。赤あざは皮膚の血管が拡張したり、増えたりすることによって起きる一方で、青・茶・黒のあざは全てメラニンが関係しています。つまり、黒っぽい色素のメラニンが皮膚の内側で沈着していることが原因であざになっているのです。色の違いは皮膚からメラニン色素までの距離で、皮膚の深いところにあるものは青、表面にあるものは茶色、深いところから表面まで全てにあると黒く見えるあざになります。
あざにはレーザー治療が効果的
編集部: これらのあざに対して、どのような治療をするのですか? 中野先生: あざの種類にもよりますが、多くの場合はレーザー治療が有効です。従来は、ドライアイスであざの表面を凍らせたり、グラインダーで削ったりする治療がおこなわれていましたが、十分な効果が得られなかったり、あざはなくなっても治療跡が残ったりするという問題点がありました。しかし、現在では医療機器が進化したことにより、レーザーであざを綺麗に治せるようになりました。 編集部: どのようなタイプのあざに、レーザー治療は有効なのでしょうか? 中野先生: 赤あざや青あざに対して、特に効果的です。具体的には、いちご状血管腫や単純性血管腫などの赤あざに対しては色素レーザー(Vビームレーザー)による治療が有効で、青あざではQスイッチレーザーやピコレーザーを使います。 編集部: それぞれのレーザー機器について教えてください。 中野先生: 色素レーザーは、血液中にあるヘモグロビンをターゲットにして照射するレーザーです。そのため、血管の異常が原因で起きるあざに有効です。一方、Qスイッチレーザーやピコレーザーは、メラニン色素をターゲットにするレーザーで青あざに効きます。 編集部: 茶あざに対しては、どのような治療をおこなうのですか? 中野先生: 茶あざは、Qスイッチレーザーの一種であるQスイッチルビーレーザーを使って治療をおこないますが、青あざと比べて効果が得にくく、再発率が高いという特徴があります。しかし、幼少時期に治療をおこなう方が、高い治療効果を得られることがわかっています。そのため、治療をおこなう場合は、早めに開始することが大事です。 編集部: 黒あざは、どのようにして治療するのでしょうか? 中野先生: 黒あざに対しては、電気メスや炭酸ガスレーザーで焼き切ったり、メスなどでくり抜いたりする方法があります。大きなものの場合には切除して縫合します。なお、黒あざのレーザー治療は、保険適用外となります。 編集部: レーザーによる治療は保険適用されるのですか? 中野先生: あざの種類によっては保険適用になるものもありますが、治療回数に制限が定められている場合もあります。例えば、赤あざは回数制限がない一方で、青あざは5回までと決められています。また、茶あざの場合は2回まで保険適用になりますが、3回目以降は適用外となります。 編集部: そのほか、あざのレーザー治療を受ける際の注意点はありますか? 中野先生: 保険適用が認められているレーザー機器を使用している医療機関のみ、保険適用で治療をおこなうことができます。あざの保険治療の制度は複雑なので、詳しくは医療機関にご相談ください。