「彼がダルビッシュから打ったホームランが流れ変えた」大谷翔平でもフリーマンでもテオスカーでもなく…NHK解説者が選ぶ、ドジャースの“意外なMVP”とは?
「あれはピッチャーにしたら“エラー同然”」
そして、悲願のワールドシリーズ制覇を果たした大谷には「『すごい』としか言えないよ」と武田氏も脱帽だ。大谷はポストシーズンは、打率2割3分、3本塁打、10打点と貢献。武田氏は、ワールドシリーズで今年の大谷を象徴する打席を見たという。 「ヤンキース戦の3試合目。第1打席で、ストレートのフォアボールを選んだでしょう。相手ピッチャーに相当プレッシャーがあったということですよ。しかも、初回の先頭打者のフォアボールなんて、ピッチャーにしてみたらエラーも同然。平常心じゃない証拠だから、大谷はそこまでのバッターになったんだなと。今年の大谷の存在感を象徴するような打席でした。実際、大谷が出塁した後にフリーマンが先制ツーランを打ったから、相手投手のリズムを崩した」 大谷はヤンキース戦の2試合目、盗塁の際に左肩を亜脱臼(シリーズ後、関節唇損傷の手術を受けた)。試合を休むことはなかったが、左肩を庇うような仕草も見られ、万全な状態とは言えなかった。ただ、それでも相手に大きな圧力をかけてチームの勝利に貢献したということだ。 「試合に出続けて、相手にプレッシャーを与えた役割は大きいですよ。フォアボールを選べば、大谷は盗塁もあるしね。ヤンキース戦の終盤には、結構バットを振れるようになっていたけど、痛み止めのおかげだろうね。アメリカの痛み止めはめっちゃ効くから」
「俺のMVPはキケだね」
また、ワールドシリーズでMVPを獲得したのは、ヤンキース戦初戦でサヨナラ満塁ホームランを放ったフリーマンだったが、武田氏は「俺のMVPはキケだね」と語る。 キケこと、エンリケ・ヘルナンデスは、内外野を守れるユーティリティプレイヤーとして存在感を発揮。ポストシーズンは、14試合で打率2割9分4厘、2本塁打、6打点とチームを牽引した。 「基本的にはサブの選手なんだけど、ポストシーズンではダルビッシュから先制ソロ、メッツ戦でもホームランを打つなどいいところで打った。しかも、ムードメーカーで、お祭り男の彼がノッてくるとチームも勢いづく。こういう短期決戦に強い選手が打つと流れが一気に傾きます。日本シリーズでもDeNAの桑原将志が、キケと同じくキーマンだった。もちろん、初戦のフリーマンのサヨナラ満塁ホームランも相当流れを引き寄せたよ」 ドジャースが優勝を決めた第5戦は、ヤンキースのエース、ゲリット・コールがベースカバーを怠り、主砲のアーロン・ジャッジが落球するなどミスも目立った。そこにも流れがあったと武田氏は語る。 「ベテランが大事な場面でミスをしたのは、勢いに押された部分もあると思います。ジャッジのケースは、ランナーを気にして、ボールから一瞬目を切ってしまったんだろうね。あとライナー性の当たりって、ボールが結構揺れるから捕球が難しいんですよ。こういうことはいくらでも言えるけど、やっぱりドジャースに運と勢いと流れがあったのは間違いない」
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