【現役ドラフト】なぜドラ1選手が3人もリストアップ?背景にある各球団の「本気度」と「成功例」
日本野球機構(NPB)は12月8日、出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化する目的の「現役ドラフト」の結果を発表、以下の通りとなった。 阪神:漆原大晟投手(オリックス) 広島:内間拓馬投手(楽天) DeNA:佐々木千隼投手(ロッテ) 巨人:馬場皐輔投手(阪神) ヤクルト:北村拓己内野手(巨人) 中日:梅野雄吾投手(ヤクルト) オリックス:鈴木博志投手(中日) ロッテ:愛斗外野手(西武) ソフトバンク:長谷川威展投手(日本ハム) 楽天:桜井周斗投手(DeNA) 西武:中村祐太投手(広島) 日本ハム:水谷瞬外野手(ソフトバンク) また第2回となった今回、目立ったのはドラ1選手の放出だった。阪神の馬場皐輔(2017年度ドラフト1位)、中日の鈴木博志(2017年度ドラフト1位)、ロッテの佐々木千隼(2016年度ドラフト1位)と3選手がリストアップ。 背景には各球団の現役ドラフトに賭ける「本気度」も見え隠れする。手探り状態で行われた昨年の第1回現役ドラフトからは、今季阪神で12勝をマークした大竹耕太郎(ソフトバンク→阪神)、リーグ4位タイの24本塁打をマークし、中日でクリーンアップを務めた細川成也(DeNA→中日)などの成功例が生まれた。 在籍球団では芽が出なくとも、環境を変えることで才能が開花すると示されたことで、現役ドラフトをしっかり補強の場として位置づけるようになったとも見える。 また現役ドラフトは各球団がリストアップした選手を元に12球団が指名したい選手に投票、得票数が多い球団が最初の1人を指名できる制度となっている。 いわば他球団が指名したくなる選手、潜在能力の高さが認められている選手を放出しない限り、見合った選手は獲れないとあって、多くの期待をかけられたドラ1選手が多くなった側面もあるようだ。 DeNAから指名を受けたロッテの佐々木は16年のドラフト会議時に5球団が競合した。今回獲得したDeNAは当時競合した球団の内の一つとあって、7年ぶりの〝ラブコール〟が実現したことも話題を集めている。 近年の野球界ではトレードにおいても、伸び悩んでいる選手に活躍の場所を見つける好循環トレードが主流になりつつある。その意味では現役ドラフトは意義ある制度となる。新天地に羽ばたく選手たちにもエールを送りたい。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]