本田か、香川か。コロンビア戦の先発トップ下はどっちだ?
フィジカルコンタクトに優れ、相手の中盤とディフェンスラインの間でパスを引き出す。局面を個人で打開し、ミドルシュートやFKを備え、大舞台に強い――。これが、本田の魅力だろうか。 一方、香川は狭いスペースにおけるテクニックと敏捷性に優れ、周りとのコンビネーションによって一層輝きを増す。かつては守備に不安があったが、今ではドルトムントで世界トップレベルの強度を誇るプレッシングを体現しており、それは、パラグアイ戦でも証明された。守備でも計算の立つ存在となったのだ。 果たしてトップ下で先発するのは、本田か、香川か――。西野監督が最も頭を悩ませる問題だろう。 いずれにしても、ベンチに回った方はスーパーサブの役割を担うことになる。まさに4年前の日本戦で途中出場してスタジアムの雰囲気とゲームの流れを一変させたコートジボワールのエース、ディディエ・ドログバのように。 個人的には、今大会を自身最後のワールドカップと位置づける本田の大舞台での勝負強さに懸けてみるべきだと思う。少なくともコロンビアとの初戦においては。 本田にとってガーナ戦も、スイス戦も、あくまでもコロンビア戦への過程だろう。実際、本田はこれまでもワールドカップ初戦に照準を合わせ、結果を残してきた。2010年南アフリカ大会のカメルーン戦でも、2014年ブラジル大会のコートジボワール戦でも先制ゴールを叩き込んできた。 10日の練習後に「サッカーってバランスを崩したときにうまくいくことがある。その無茶というか、リスクを背負って、場面によってはいわゆる自己中心的なプレーをする、ここをこの10日間でメンタル的にもっていかないといけない」と語ったように、コロンビア戦にぴたりと仕上げてくるはずだ。 一方、香川はスーパーサブとして用意しておく。それも乾とセットでの同時投入である。ふたりが一緒にピッチサイドに並んだときの期待感とピッチにおける破壊力は、ドログバの投入に匹敵するはずだ。 日本が誇るダブルエースをどう起用するのか。コロンビア戦まであと3日。果たして指揮官の判断や、いかに――。 (文責・飯尾篤史/スポーツライター)