【高校野球ベストシーン’23・青森編】仙台育英からの勝利に大きな自信、八戸学院光星・洗平の成長は止まらない
2023年もあとわずか。ことしも高校球界ではさまざまな印象的な出来事があった。各都道府県ごとにベストシーンを思い出してみよう。 春季東北地区大会決勝・仙台育英戦のスタメン 【春季東北大会決勝・八戸学院光星vs.仙台育英】 今年の青森の夏を制したのは、八戸学院光星だった。昨年秋は初戦で敗れ、不安な新チームのスタートだったが、最後の夏は最高のチームに仕上がった。春の決勝で敗れた八戸工大一には夏の決勝でリベンジ。青森山田を春夏ともに準決勝で下した。春から夏へチーム力をアップさせた結果だったが、その成長を加速させる試合があった。それが、春季東北地区大会の決勝、仙台育英(宮城)戦だった。 センバツで8強に入った全国の強豪相手に3対2の1点差で勝利した。何より、2年生左腕が本領を発揮した。先発の洗平 比呂投手(2年)が、完投こそ逃したが8.2回を8安打2失点。強打の仙台育英打線に勝ち越しを許さなかった。3回まで無安打の見事な立ち上がりで、7回までわずか1失点の好投だった。打席でも、湯田 統真投手(3年)から本塁打を放つなど、投打にわたって勝利に貢献した。 仙台育英相手に結果を残した洗平は、夏の青森大会では4試合(先発2)を投げ防御率0.46。甲子園では3試合(先発2)で防御率1.72と、安定感ある投球を見せた。元プロ野球選手の洗平 竜也氏を父に持ち、兄・歩人とともに1年夏に甲子園に出場を果たした「サラブレッド」。最速147キロを誇る左腕が、ポテンシャルの高さをついに披露したのだ。 秋は初戦敗退でスタートした八戸学院光星は、終わってみれば最後の夏は甲子園8強をつかんだ。春季東北大会で仙台育英を破って優勝した自信が、洗平をはじめナイン全員を強くさせた。 今年秋以降の新たなチームでも、洗平は岡本 琉奨投手(2年)とのダブルエースとして、さらなるレベルアップを図る。秋季大会では青森大会、東北大会ともに決勝で青森山田に敗れた。悔しさをバネに、来年春の出場が有力なセンバツの舞台で、また大きな成長を見せてくれるはずだ。