52歳おひとりさま、貯蓄「2000万円」ありますが老後が不安です。実際いくらあれば安心できるのでしょうか…?
老後の生活は、多くの人にとって心配事の1つでしょう。そして、老後の心配事のうち、関心を持つ人が多数おりメディアでもしばしば取り上げられるのが、お金に関するものです。安心して老後を迎えるには、早いうちからお金を貯め、備えておく必要があります。 今回は、50代前半で2000万円貯められていれば、老後の生活は安泰なのかについて考えてみましょう。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
65歳以上の人は生活費にいくらかかる?
仕事を辞めても、生活は続きます。当然ながら生活費がかかるわけですが、多くの人が定年を迎える65歳以降の生活費を、総務省統計局の「家計調査」の結果からみてみましょう。2022年の家計調査結果によると、65歳以上の1人暮らしの人の平均消費支出額は、勤労世帯で1ヶ月あたり14万9208円、無職世帯で14万3139円でした。 家計調査結果をみると、65歳以上単身勤労世帯の持ち家率は84.3%です。賃貸住宅に暮らしている人は、全体の20%にも届きません。住居にかかる費用は1万3530円なので、住居費を除いた生活費は毎月13万5678円となります。 65歳以降、賃貸物件に住むのであれば、これに家賃が上乗せされるため、毎月20万円を超える支出額となる人も出てくるでしょう。持ち家でも、ある程度ゆとりのある生活を望む人は、1ヶ月あたり20万円前後の生活費が確保できていると安心です。
年金の平均受給額は?
次に、年金の受給額をみてみましょう。厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢年金の平均月額は14万4982円でした。これには基礎年金月額も含まれています。現在50代前半の人が年金を受け取れる年齢になっても、同じ金額が支給されるとは限りません。あくまでも目安として捉えておく必要があります。
貯金2000万円で老後は大丈夫?
厚生労働省の「令和4年簡易生命表の概況」によると、50歳男性の平均余命は約33歳、50歳女性は約38歳です。平均寿命をみてみると、男性は約81歳、女性は約87歳となっています。仮に、85歳まで生きるとしましょう。65歳までは仕事を続けるとして、定年退職してから年金のみで生活すると仮定します。 毎月の生活費が20万円とすれば、年金のみでは5万円ほど足りません。年間では60万円、亡くなるまでの20年間では1200万円が不足します。とはいえ、貯金が2000万円あれば、1人暮らしの人はなんとかまかなえる計算です。 ・老人ホームに入る場合は? いつか1人では生活が難しくなる可能性もあるでしょう。その場合には、老人ホームなどの施設に入れると、いくらか安心です。老人ホーム検索サイト「みんなの介護」によると、老人ホームの月額利用料の平均は15万2000円、中央値は13万5000円となっています。 年金の受給額と、ほぼ同じです。そこで提供されるもの以外のものも買ったり利用したりしようとすれば、やはり月額20万円ほどは必要になるでしょう。亡くなるまでにかかる費用は、さほど変わりません。 ・安心できる貯金額は? 老後2000万円問題は、夫婦2人暮らしで、定年退職してから亡くなるまでの期間が30年と仮定して、足りなくなる金額を推計したものです。1人暮らしで、定年退職してから亡くなるまでの期間が20年の場合は、貯金2000万円あればひとまず安心できるでしょう。 50代前半であれば、定年までにさらに貯金を増やすことも可能です。ただ、人はいつ亡くなるかはわかりません。予期せぬ事態が起こる可能性もあります。貯金はあればあるほどに安心です。2500万円、3000万円と増やすつもりで仕事をし、日々の生活を送る方がよいでしょう。