気温上昇で各社増収、ユニクロでは早くも「エアリズム」に動き
国内アパレル関連大手各社が2024年2月度の既存店売上高を発表した。ファーストリテイリングの国内ユニクロ事業や良品計画、しまむらなど多くの企業では、気温の上昇に伴い春物商品の販売が好調だったことなどが寄与し、前年同月比で増収となった。
ファーストリテイリングの国内ユニクロ2月度は、前年同月比7.2%増。今年は閏年や昨年2月と比べ休日が1日多いといったプラス影響もあったが、「それを差し引いても上々の結果」(ユニクロ広報担当者)だという。また、月の中旬以降に気温が高くなったことでインナー類を中心とした「エアリズム」商品が早くも動き始めた。広報担当者は「例年エアリズムはゴールデンウィーク前に売れ始めるが、今年は特に動き出しが早い。暖冬でお客様の先取り思考が強まっているのを感じる」と語った。 良品計画では、衣服・雑貨、生活雑貨、食品といった全てのカテゴリーで前年実績を上回り、同7.7%増と好調に推移。中でも生活雑貨カテゴリーは、1月から取り扱いを開始した新商品「空気でできたソファ」がヒットし、同12.0%増と牽引した。また、衣服・雑貨カテゴリーでは紳士服とキャリーケースが好調だった。良品計画の広報担当者は「生活雑貨カテゴリーの増収には、スキンケア用品も大きく寄与している。継続的に安定して売れており、需要の高さを実感している」とコメントした。 しまむらは1月21日~2月20日の期間での計測のため閏年の恩恵は受けていないが、同1.5%増と堅調に推移。「全国的に気温が上昇したことにより、アウター衣料の春物や初夏物が売上を伸ばした。一方で、冬物のインテリア・靴等は暖冬の影響で消化が鈍かった」(発表資料より)。ユナイテッドアローズは「気温上昇とともに春物需要が高まり、メンズ、ウィメンズとも軽衣料全般、春物アウター、シューズ、バッグの動きが目立った」(発表資料より)ことで同14.4%増と大幅に数字を伸ばした。 ■2023年2月度 各社実績(すべて既存店ベース/前年同月比) 国内ユニクロ事業(既存店+Eコマース) 売上高:107.2% 客数:102.6% 客単価:104.4% しまむら 売上高:101.5% 客数:98.5% 客単価:103.0% 良品計画(直営既存店+オンラインストア) 売上高:107.7% 客数:101.2% 客単価:106.4% アダストリア 売上高:110.6% 客数:102.1% 客単価:108.3% ユナイテッドアローズ(小売+ネット通販 既存店) 売上高:114.4% 客数:107.2% 客単価:107.3% ワークマン 売上高:109.4% 客数:104.4% 客単価:104.8% バロックジャパンリミテッド 売上高:104.3% 客数:108.2% 客単価:96.3%