伍代夏子 ファンを大切にする苦労人 出待ちの人たちと笑顔で“にわか撮影会”
<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム> 伍代夏子(62)の優しい人柄に触れました。 日本歌手協会が6月5日と6日、令和6年能登半島地震と台湾地震の被災地支援チャリティー公演を東京・練馬文化センターで開催。その初日公演を取材した時のことです。 終演後、五木ひろしのマネジャーに用事があって楽屋の出入り口(建物外にある)に向かうと、ステージ衣装から普段着に着替えた伍代がひょっこりと現れました。そこには歌手の出待ちをする多くのファンがいます。「伍代も誰かと待ち合わせをしているのかな」。最初はそう思ったのですが違いました。わざわざそこにいる人たちとの“撮影会”のためにやってきたのです。あっちからもこっちからも「伍代さんっ」と声がかかり、何枚もパシャッパシャッ! 旺盛なサービス精神だなと思いながら見ていたのですが、伍代は笑顔を絶やさずに「あなたはいいの?」なんて言っています。本当に優しい人なんだなと思いました。 数年前、他の歌手の取材現場で伍代と偶然会ったことがあります。「●●さんをよろしくね。すごく頑張ってるの。大きく紙面にしてね」。こう言って、後輩をおもんぱかっていました。 伍代は仕事関係者の身内が病気で入院した際に見舞いに訪れたこともあります。この関係者は「わざわざ来てくれて本当に驚いた」と話していました。 伍代は苦労人です。 売れない下積み時代が長く、「伍代夏子」は4つ目の芸名です。C型肝炎に罹患(りかん)し、克服はしましたが、治療では貧血や微熱などの症状に苦しみました。夫の杉良太郎とともにさまざまな社会貢献活動に尽力し、ベトナムなどへの支援も行っています。「竹を割ったような性格」という言葉がありますが、人の悪口を言わず、情に厚く、細やかな気配りが自然とできる人です。 ステージ上で輝くスターの華やかなエンターテインメントを伝えるのも仕事ですが、素顔の魅力を伝えるのも記者の大切な仕事かなと考えます。【松本久】