山形県警の元警察官・田中杏樹、まさかの本格グラビアデビュー!
成績2位で警察官拝命、天にも昇る気持ちに!
――初めての本格グラビア撮影はいかがでしたか? 「最初はすごく、緊張しました。でもスタッフの方に優しくして接していただき、楽しかったです。カメラマンの方にポーズを丁寧に教えてもらい、6着も水着を着て表現をする快感を得ましたね。自己肯定感もバク上がりしました(笑)。以前からグラビアを絶対にやりたかったので、大満足です」 榎原依那「大きい胸というコンプレックスを克服したかった」初挑戦のグラビアに秘めた想い ――女優をされる前に元警察官という異色の経歴ですね。 「宮城県の大学に通っていて就職を考えていた時に、両親から地元の山形県に戻ってきてほしいと言われたんです。地元に帰るなら公務員かなと思って、どの仕事に就こうか悩んでいた時、たまたまテレビで『警察24時』を観ていて。“刑事になりたい。警察官ってかっこいい!”と、警察官一択でした」 ――警察官になるには大変だったでしょう? 「犯罪検挙率全国1、2位の山形県警で、大卒のⅠ類採用は10倍の狭き門ですから、毎日毎日、猛勉強。そのかいあって1次試験を何とか突破。2次試験の面接では、いろいろ聞かれるんです。私はコンビニでバイトをしていたんですが、クレーマーみたいなお客様も多く、温めたおにぎりを投げつけられたこともあって、『何をされても冷静に対処できます』と猛アピール。無事に採用通知が届いた時は、天にも昇る気持ちでした(笑)」 ◆初めての現行犯逮捕で手錠をかけた! ――警察学校での思い出は? 「6ヵ月の警察学校で、最初の1ヵ月は外出禁止。面食らいましたね。それから体力に自信がなかったので、毎朝、錬成のため自主的に走って基礎体力を向上させました。何かミスがあると連帯責任で、20キロ走とか平気であるので、同期の仲間との絆が高まりました。他にも座学で、憲法、刑法、民法、警職法など山ほど覚えなきゃならない法律もある。ひたすら暗記に努めて、残念ながら首席は取れませんでしたが、成績2位を獲得できたのは自信になりましたね」 ――それからは? 「職場実習3ヵ月、また警察学校で初任補修科2ヵ月、実戦実習4ヵ月で、やっと一人前の警察官として県警地域課に配属されました」 ――そんなに長い教育を受けるんですか! 警察官は厳しいですね。地域課での感想は? 「制服を着たら、新人もベテランも関係ない。交番勤務では、交通違反などで誹謗中傷を受けるのは日常茶飯事。でもそれ以上に、事件や自殺で亡くなった方の遺族のケアが大変だと感じました。どんな状況でも、泣いてはいけない。我々が支えられるように、心を強く保つ。それに女性警察官の場合は、性犯罪の被害者の対応をすることも多い。心に深い傷を負った被害者から、詳細を聞き出すのは難しいし辛かったですね。初めて『現行犯逮捕』で何時何分で手錠をかけるという経験は得難いものでした」 ◆同年代の遺体の検視に立ち合い、悔いのない人生を歩む決意を ――その後、本部鑑識課へ異動になるんですね。 「鑑識課に異動してからは病院以外で亡くなった方を検視するので、ご遺体をほぼ毎日見るようなります。宮城県に派遣された時に経験したのですが、東日本大震災で行方不明になった方も未だに漂着することがあります。自分もいつどうなるか本当にわからないなと改めて強く感じました。 また鑑識課時代は音楽隊も兼任して、各種行事で演奏したのも良い思い出です。私の担当はフルート。小学校吹奏楽部以来の楽器ですから、全体練習だけでは追いつかず毎日、練習しました。演奏する際は、白い特別な演奏服を着用します。特にフルートは前列なので、目立つんです。子供から年配の方まで、鑑賞されるギャラリーも多くて、別の意味で緊張しましたね。『県民と警察の心の架け橋』である音楽隊経験も勉強になりました」 ――そんな風にやりがいを感じていらっしゃったのに、なぜ女優の道に? 「小さい頃から女優に憧れはありましたが、両親や周りがあまり良い感情を持っていなかった。スカウトされたこともありましたけど全部断っていたんです。しかしある時、同じ年で病死された方のご遺体を検視した際、やりたいこともあっただろうに無念だったろうな、と思い“私も悔いのない人生を送りたい”と感じて、退職を決意したんです」 ――女優のお仕事は? 木村拓哉さん主演の『教場』シリーズや『未満警察 ミッドナイトランナー』『緊急取調室』などに出演経験があるんですよね。 「役者さんたちのプロ意識に正直、圧倒されました。行進シーンでどうしてもうまくできず、大島優子さんや三浦翔平さんらが、手の上げ方など細かい動作に関して私に聞きにくるんです。収録前後に全員で自主的に行進練習を何度も行いました。また、木村拓哉さんが、収録日ではないのに、風間教官衣装で突然現れて練習を見守る姿にはビックリしました! 他にも『世界まる見え!テレビ特捜部』『林修の今でしょ!』などバラエティ番組にも元警察官として呼んでいただいています」 ――警察官のキャリアが女優の仕事で役立っていることはありますか? 「警察官ってものすごく早食いなんですよ。いつ緊急事案が入るかわからないので食事をゆっくり取ることがほぼないんです。ドラマの撮影現場は時間がないからみんな急いでロケ弁を食べますけど、最初から身についていたのでよかったですね(笑) 。 あとは着替え、お風呂もとにかく全部早い。警察学校では制服からジャージ、柔道着に着替える時間が5分しかないですからね。あとは礼儀的なところです。挨拶や、目上の方への姿勢は徹底的に教わるので自然と身につきました。体育会系的な部分があるところは警察官と共通していると思います」 ――最後に、どんな女優さんを目指したいか教えてください。 「私自身、女優さんたちの笑顔を見たりして癒やされます。元警察官の女優は私ひとり。大げさにいうと全国に28万人いる警察官の代表として“常に見られている”意識を心がけて、幅広い分野で活躍したいと思います。警察を舞台にしたテレビ番組も多いですから、刑事役はもちろん、極悪非道な犯人役も演じてみたいですね(笑)」 <プロフィール> 田中杏樹(たなか・あんじゅ) 1994年1月28日生まれ。山形県出身 T158cm 交番(KOBAN)博士、元女性警察官の女優 24歳で女優を目指し退職し、単身上京。木村拓哉主演『教場』や中島健人&平野紫耀主演『未満警察 ミッドナイトランナー』に生徒役で出演するなどTVドラマ、舞台、YouTubeでも活躍している。近況は本人X、インスタグラムにて。
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