東京女子9・22幕張に中国人初の元WWEスーパースターが参戦。ザイア・ジャオとは何者か?【週刊プロレス】
東京女子プロレスの9・22千葉・幕張メッセ大会に、ザイア・ジャオが初来日&初参戦を果たす。
ザイアは、WWE史上初の中国人女性レスラーとして活躍したザイア・リー。 今年4月での試合を最後に、7年近く在籍したWWEを退団。リングネームをあらため、心機一転。今度は日本のリングにチャレンジすることになったのである。 フリー転向後、その初戦となる8月17日にはアメリカ・ロサンゼルスでの大会に参戦し、アジャコング、VIVA VANとトリオを組み勝利を飾った。アジャ、VIVAとも東京女子で試合をしているだけに、この試合が今回の来日への予行演習にもなったのではなかろうか。 中国・四川省重慶出身のザイアは、現在36歳。幼少の頃、ザ・ロックのカリスマ性に魅せられプロレスに興味を持ち、WWEのファンになった。スポーツではカンフー、ムエタイに励み、ボディービルダーの経験もあるが、プロレスとは無関係。レスラーになりたいとの思いこそあったものの、現実問題として中国でプロレスラーへの道を志すことは困難だったからである。 ところが、2017年1月にWWEが上海でトライアウトをおこなうと聞いて衝撃を受けると同時にトライしてみた。そして見事合格を勝ち取り、フロリダ州オーランドのパフォーマンスセンターでトレーニングに励むようになる。 そして同年7月、女子選手によるトーナメント「メイ・ヤング・クラシック」にエントリーし、メルセデス・マルチネスに敗れた1回戦が事実上のプロレスデビューになった。 ザイアは18年3月からNXTを主戦場とし、カイリ・セインやイオ・シライ(現イヨ・スカイ)らとも組んだり闘ったりするようになっていく。「メイ・ヤング・クラシック」には2年連続でエントリーし、20年1月には「ロイヤルランブル」参戦。21年12月にナオミをアシストする形で「スマックダウン」に昇格した。その流れからハート・ファミリーのナタリアを破るという、破格のメインロースターデビューを果たしている。 22年にはショッツィとのコンビでWWE女子タッグ王者をめざし、シングル戦線でもスマックダウン女子王座挑戦者決定5WAYマッチ、6WAYマッチ、ガントレットマッチなどで挑戦権を争った。また、昨年には「ロウ」参戦のかたわらでNXT女子王座にも挑んでいる。 しかし、前述したように今年4月の試合を最後にWWEを離れ、フリーとなった。そして降ってわいたように訪れた来日のチャンス。これを聞いたとき、ザイアはなにを感じたのだろうか。 「TJPWからのオファーを受けて、とても光栄だし、エキサイトしました。なぜなら、日本には古くから女子プロレスの歴史があり、日本人女子レスラーのクオリティーの高さはWWEで闘ったカイリやイオ・シライから理解していたからです。WWEに入団したときは初めての中国人女子ということで責任感がありました。今回もまた、その責任を持って日本のリングで試合をしたいと思います。中国人選手の力、粘り強さ、そして精神力をお見せしたいと考えています。日本人選手との違いを見せたうえで、日本と中国の懸け橋になれたらなと思いますね。そしてまた、今回の試合は私自身への挑戦でもあります。TJPWのリングで自分の限界を試してみたいです」 渡辺未詩vs水波綾(第11回プリンセスカップ優勝者)のプリンセス・オブ・プリンセス選手権試合がメインの9・22幕張において、初参戦のザイアは瑞希と組んで上福ゆき&VENY組と対戦する。ザイアと瑞希のオリジナリティーあふれるムーブの融合、さらには海外での活躍も多い上福とVENYの合体。ザイア参戦のタッグマッチには、アジアンテイスト豊かな試合が期待できそうだ。 (新井 宏)
週刊プロレス編集部