期待に応えられず…。欧州、今季ガッカリの名将(6)大エースと衝突…。王者陥落の原因になったのは?
これまで数々の実績を残してきた「名将」であっても、新天地で期待されているような成績を残すことは保証されていない。佳境を迎えている2023/24シーズンも様々な理由から多くの監督が苦戦を強いられている。今回は、今季ガッカリな成績に終わった名将をピックアップして紹介する(成績は5月13日時点)。
リュディ・ガルシア(ナポリ) 生年月日:1964年2月20日 今季リーグ戦成績:12試合6勝3分3敗(4位で退任) 昨シーズンにナポリは圧倒的な強さを見せつけて33年ぶりのスクデットを獲得していた。このタイトルを置き土産にルチアーノ・スパレッティが勇退し、後任にはかつてローマを率いた経験のあるリュディ・ガルシアが就任している。 リール時代にリーグ・アン制覇を筆頭に、先述したローマやマルセイユ、リヨンなどの名門クラブを率いた経験からリーグ2連覇やUEFAチャンピオンズリーグ(CL)での躍進が期待されていたが、それは夢に終わった。成績そのものはセリエAの12試合で6勝3分3敗とそこまで悪くはないが、痛恨だったのが大エースのヴィクター・オシムヘンとの確執である。 ボローニャとの第5節でPKを失敗したオシムヘンをベンチに下げると、采配に不服だったナイジェリア代表FWは激怒。その後、指揮官に謝罪をしたようだが、チーム内の空気は目に見えて悪くなっていった。10月頃から監督交代が噂されると、エンポリとの第12節にてホームで完封負けを喫したことが決定打となって解任されている。 通常であれば解任されるような成績ではなかったが、ナポリの顔とも言える選手との確執は今シーズンに限らず、チームの将来に悪い影響を与えてしまう可能性がある。早々にガルシア監督の首を切ったアウレリオ・デ・ラウレンティス会長の決断は英断と言えるが、後任のワルテル・マッツァーリの下でチームはさらに失速。同氏も2月に解任され、現在はフランチェスコ・カルツォーナ監督がスロバキア代表との兼任という形で率いている。現在8位と欧州カップ戦出場権獲得の可能性も残されているが、前年王者が2度の監督交代に見舞われてタイトル争いと無縁のシーズンを過ごしているのは屈辱的なことであり、その原因の一つとなったガルシア監督招聘は大失敗だった。
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