カバンに入れる「独学本」は何冊が正解?…脳のスペシャリストが薦める「効果的な勉強法」
資格を取りたい、昇進したい、転職したい、スキルアップしたい……そんな想いから、日々勉強に勤しんでいる社会人は多い。しかし勉強を進めるなかで、思ったように成果が出ないという人もまた多いだろう。それは、誤った勉強法をとってしまっているからだ。『一生頭がよくなり続ける もっとすごい脳の使い方』(サンマーク出版)の著者・加藤俊徳氏に聞いた、大人の脳に合った3つの勉強法を紹介する。 【マンガ】3500万の住宅ローン組んだ「年収700万夫婦」が地獄を見たワケ
週末の勉強法は「1日1テーマ」
たとえば、週末に近所のカフェで勉強しようと思ったとき、 「今日はこのテキストをやるつもりだけど、時間が余るかもしれないからこっちのテキストも持っていこう」 「何冊か持っていって、カフェに着いたときの気分で何をするか決めよう」 と考え、結果膨大なテキストを抱えていく、ということはないだろうか? まさにこれが、脳を無駄に疲れさせる原因になる。 脳は何かを始めるときに大量のエネルギーを使うため、勉強が始まってもいないうちから脳に考えさせていることが、すでに非効率的なのである。カバンの中に最初から複数のテキストが入っていると、何から取り掛かろうかと考えるところから始まる。その上、複数のテキストを持っていると、1つのテキストで行き詰まった場合、気分転換になどと言って別のテキストに手を出してしまうことも多い。これがよくない。 記憶に定着させるには、勉強したことを長期記憶に送ることが必要だ。勉強したことを長期記憶に送るときには、たとえば英語の学習なら「単語」「リスニング」「文法」「長文読解」などのラベルをつけて保管しておくことで、後々、思い出したいときに長期記憶から引っ張り出しやすくなる。 パソコンでたとえるなら、フォルダを作って関連する文書や資料を保存していくのと同じこと。フォルダを作らず、デスクトップに文書や資料が溢れかえっていたら、探すのに時間がかかってしまうし、考えもせずに適当にフォルダを作っていると「あれ、どこに入れたんだっけなぁ」と結局見つけるまでに時間がかかってしまう。きちんと理解して、後からでも使いやすい整理されたフォルダであれば、その資料を見つけ出すことは容易だ。 複数のテキストを気分の赴くままにつまみ食いしているのは、AのフォルダにBやCの一部が混じってしまうことと同義。どちらも中途半端な状態で終わってしまい、二兎を追うものは一兎をも得ずのことわざの通りになってしまう。 可能であれば、持ち出すテキストは1冊、そのときに学習するテーマは1つに絞ることが大人脳を効率よく使うコツになる。