EUで世界初のAI規制法が可決 年内にも一部施行を予定 その影響とは?
EUの規制はこれまでも世界的に影響
EUのデジタルサービス規制が、日本企業を含むEU域外の企業に影響を及ぼした前例としては、「EU一般データ保護規則(GDPR)」が記憶に新しい。 EUとEEA(欧州経済地域)域内の個人データの処理と移転に関するルールを定めた法律であるGDPRは、世界で最も厳しい基準で個人情報保護を行うものであり、世界中のEU・EER領域内に支店を置く企業、顧客を持つ企業が対応を迫られた。 MetaやGoogleは、ウェブサイトの閲覧履歴を保存するクッキーに関して違反、約270億円の高額の制裁金を科された。また、2022年には、ヤフージャパンが突然欧州におけるサービスを停止、理由は明言されていないが、GDPR、そして、やはり欧州発の違法コンテンツの取り締まりを目的とする「デジタルサービス法案」順守に発生するコストの採算が取れないと判断したことが原因ではないかと言われている。 重い制裁金が課される欧州AI法。自社ビジネスへの適用の有無やリスクの評価、サービス内容の見直しなど、世界中の企業が迅速な対応を迫られているといえるだろう。
文:大津陽子 /編集:岡徳之(Livit)