米軍が嘉手納でパラシュート降下訓練 異例の5カ月連続、地元反発
沖縄県の嘉手納基地(沖縄市、嘉手納町、北谷町)で19日、米軍がパラシュート降下訓練を行った。日米は原則、降下訓練は離島の伊江島補助飛行場(伊江村)で行うと合意しているが、嘉手納で行われるのは昨年12月以降、これで5カ月連続。異例の事態に、地元は強く反発している。 【写真】嘉手納基地に次々とパラシュートで降りてくる米兵=2024年4月19日午後2時すぎ、沖縄県嘉手納町、伊藤和行撮影 午後2時ごろ、嘉手納基地上空を飛行する米軍機から米兵5人が空中に飛び出した。強風の中、パラシュートを広げ、左右に揺れながら5分ほどかけて基地内に降り立った。訓練はその後も3回続き、午後3時20分ごろまでに計20人が降下した。 米軍のパラシュート降下訓練は戦後、嘉手納町の隣の読谷村の補助飛行場で行われていた。車両や物資も投下され、1965年には小学生女児が落ちてきたトレーラーの下敷きになり死亡。79年には7キロの鉄塊をつけたパラシュートが民家わきに落下した。 地元の反対運動が激しくなり、日米は96年の日米特別行動委員会(SACO)で、降下訓練を伊江島補助飛行場に集約することで合意。しかし、98年には嘉手納で降下訓練が始まった。日米は2007年、嘉手納での訓練は「例外的な場合」に限ると合意したものの、その後もたびたび嘉手納で訓練が行われてきた。 ただ、5カ月も続けて訓練が行われるのは、今回が初めてとみられる。
朝日新聞社