国債買い入れ減額、具体的方針示されるかが焦点-13日から日銀会合
ブルームバーグ・エコノミクスの木村太郎シニアエコノミストによると、今年の国債償還額は71.4兆円に達する可能性が高く、月5.95兆円を下回る国債購入額は日銀の国債保有残高の減少傾向をもたらし、量的引き締めにつながるという。
木村氏は、今会合では「日銀が国債買い入れの減額の開始を発表すると予想している。それは驚くべきことではない。日銀は以前からバランスシートを縮小する意向を示していたからだ」としている。
追加利上げ
エコノミスト調査では、追加利上げのタイミングについて7月と10月が約3割で拮抗(きっこう)している。年内利上げ予想は92%と4月会合前調査の81%から拡大した。ターミナルレート(利上げの最終到達点)の想定も中央値が1.0%と前回の0.75%から上昇しており、追加利上げは市場の既定路線となっている。
日銀会合に先立ち、米連邦公開市場委員会(FOMC)が11、12日に開かれる。政策金利は5.25-5.5%で据え置かれることがほぼ確実視されており、最新の金利見通しやパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言次第では、足元で1ドル=157円近辺で推移する円相場にさらに円安圧力が掛かる可能性もある。
明治安田総合研究所の小玉祐一チーフエコノミストは、追加利上げのタイミングに関して「日銀が次なるステップに踏み出すかどうかはあくまで為替相場次第だ」と主張。6月会合がゼロ回答となり円安に拍車が掛かれば、植田総裁に対して政治の信頼感が揺らぐことは避けられないとし、「6月に国債の買い入れの減額、7月に利上げがメインシナリオだが、6月利上げの可能性もなくはない」という。
為替変動の影響について植田総裁は、基調的な物価上昇率に影響する場合は金融政策対応が必要になるとの見解を繰り返し表明している。利上げのタイミングを巡っては、円安の影響を含めてインフレ期待や賃金、需給ギャップなどを反映する基調的な物価上昇率が上振れるかも判断のポイントになり得るが、現状は輸入物価の上昇を通じた消費への影響にも警戒が怠れない。