「ニンニクと酒は体臭を悪化させます」臭気判定士が食事と体臭の関係性を解説
30~40代になると、皮脂の酸化によって体臭が強くなるといわれている。読者の中には枕や洋服から油っぽい臭いが出ていて気になっている人もいるだろう。 体臭の改善方法はいくつかあるが、体臭分析の専門家・石田翔太さんは「食事でも体臭の悪化を抑えられる可能性がある」と話す。
今回は、石田さんに食事と体臭の関係性や、改善効果が期待できる食べ物などについて伺った。
体臭の元となる3つの成分
――30~40代の男性は、どんな成分が関係していますか? 30~40代男性に多い体臭の元となる主な成分は「ジアセチル」「ぺラルゴン酸」「ノネナール」の3つです。 1つめのジアセチルは、汗の中に含まれる成分です。30代以降の男性から発生しやすい「ミドル脂臭」の原因にもなっています。使い古した油や栄養剤のような酸っぱさ、生ごみが腐敗したような臭いが特徴です。 通常、肌の表面には常在細菌という微生物がおり、皮脂や汗を分解します。皮脂を分解すると「中鎖脂肪酸」が産生され、汗の中に含まれる乳酸が分解されると「ジアセチル」が産生されます。 ジアセチル自体が強い臭いを持っていますが、肌の表面で中鎖脂肪酸と混ざり合うことで、ミドル脂臭を発生させているようです。 ーー生ごみが腐敗した臭いとはショッキングです。 2つめのぺラルゴン酸は、皮脂の中に含まれている成分のひとつで、別名「ノナン酸」と呼ばれています。肌の表面で酸素と反応することで、絵の具のような脂っぽい臭いを発生させるのが特徴です。 ノネナールは、皮脂の中に含まれる「パルミトレイン酸」が酸化した成分です。加齢臭の原因にもなっており、草のような青臭さと油が混ざった臭いがします。 皮脂の中に含まれる成分の種類はどの年齢でも同じですが、20~30代はぺラルゴン酸の割合が高まる傾向があります。40代以降は、ノネナールの元となるパルミトレイン酸の割合が多くなるため、加齢臭を感じやすくなるでしょう。 ペラルゴン酸とノネナールは、皮脂の酸化によって臭いを発生させる原理は一緒ですが、臭いの特徴や発生する年代が異なります。 ――「ジアセチル」「ぺラルゴン酸」「ノネナール」が発生しやすい人の特徴はありますか? 30~40代であれば誰でも発生しやすいですが、特に皮脂の分泌量が多い人や、汗をかきやすい人は体臭を強く感じるでしょう。