八千代エンジニヤリング（東京都台東区）は７月31日、京都大学発スタートアップ企業のＡｔｏｍｉｓ（アトミス、神戸市）に出資したと発表した。アトミスが開発した次世代高圧ガス容器「ＣｕｂｉＴａｎ（キュビタン）」を使用した実証実験を９月にインドネシアで実施する予定。輸入エネルギー依存度が高い国のエネルギー課題の解決や経済格差の抑制に資する社会システムの実装を目指す。 　出資比率は非公開。八千代エンジニヤリングは、今回の出資によって、アトミスのキュビタンの開発と量産化を資金面で支援し、連携体制を強固なものとする。 　キュビタンを利用した新たなガス流通システム「スマートガスネットワーク」事業では、パイプラインに依存しないガスの配給が可能となり、モノのインターネット（ＩｏＴ）機器を用いて遠隔でガスの配給状況をモニタリング・管理する。配送の最適・省資源化や残容量を把握することで利用者の利便性向上が期待されている。 　八千代エンジニヤリングとアトミスは2023年４月、スマートガスネットワーク構想とビジネスを推進するための業務提携契約を締結。同年10月には、同構想の実現に向けて、有機金属構造体（ＭＯＦ）と呼ばれるナノレベルの多孔性を有する物質の研究・利活用を推進するため、インドネシアの国家研究イノベーション庁（ＢＲＩＮ）を含めた３者で協力覚書を締結していた。