NewJeansの日本単独公演、歌声や表情など細部まで美意識…「青い珊瑚礁」カバーに会場沸く
韓国の5人組ガールズグループ、NewJeansが6月26、27日、日本で初の単独公演を東京ドームで行った。デビューから1年11か月で同所での公演に至ったのは、海外勢で最速。Kポップの新たな潮流を生み出し、世界的人気を獲得した彼女たちの26日の公演を紹介する。(北川洋平)
NewJeansは音楽レーベルADOR(アドア)に所属し、同代表のミン・ヒジンによるプロデュースで2022年7月にデビュー。自然体で透明感のあるキャラクターを打ち出し、サウンドもクラブ音楽のビートを再解釈するなどして洗練された音楽性を示す。毅然(きぜん)とした女性像を表現して同性らの共感を得てきた近年のKポップの傾向と異なるスタイルで、新鮮な感覚が光る。
大歓声を受け登場した5人は、スポーティーでカジュアルな装い。デビュー曲「Attention」で幕を開けた。足の負傷で活動を制限しているHYEIN(ヘイン)とともに、久々となる5人での舞台。音を詰め込まないシンプルな曲の中、それぞれの存在感が強く浮かび上がる。見せ場のサビでは、透き通るようなコーラスワークとともに、5人が凜(りん)とした表情で大きく体を伸ばしてポーズを決めていく。時代を切り開く者たちがまとう強烈なオーラを感じさせた。
デビュー以降の発表曲をおおむね時系列に披露し、日本語のMCなどでファンとの距離を縮めた。ひときわ会場が沸いたのが、日本のヒット曲のカバーだった。MINJI(ミンジ)はVaundy「踊り子」を映画のワンシーンのように披露。HYEINは、シティポップ復興で再注目された竹内まりやの「プラスティック・ラヴ」を歌った。そして、HANNI(ハニ)はアイドル文化を象徴する松田聖子の「青い珊瑚礁(さんごしょう)」を、愛らしく表現した。
選曲、歌声、表情や衣装、指先の動き。細部にまで美意識を貫く。初公開のDANIELLE(ダニエル)の自作曲、HAERIN(ヘリン)のソロのダンスパフォーマンスとともに、各人が高い表現力を示した。