憧れのパリで新たな歴史を 「バスケ人生の節目」―23歳河村、五輪へ決意・日本の司令塔(上)
バスケットボール男子日本代表の河村勇輝(23)=横浜BC=がこのほどインタビューに応じ、7月に開幕が迫ったパリ五輪への決意を語った。 【ひと目でわかる】河村勇輝のプロフィル 昨年のワールドカップ(W杯)で活躍し、今や「日本バスケ界の顔」となった若き司令塔。夢舞台をバスケ人生の節目と位置づける。 ◇五輪、現実に ―2023~24年シーズンの横浜BCは中地区6位。個人では2季連続でアシスト王、ベスト5に選出された。 ベスト5に選ばれるとは思っていなかった。僕よりもチームを勝利に導いた選手はたくさんいたので、ちょっと複雑な気持ち。 ―日本代表の躍進でBリーグも盛り上がり、自身も「顔」となった。 いやいや、全然そんなことはない。Bリーグの初年度からやっている選手もいるし、さかのぼれば日本リーグだったり、bjリーグだったり。苦しい時代を知っている選手たちがつくり上げてきたものを継承して僕たちがつないでいる。その一つとしてW杯で結果が出たことは何よりうれしい。 ―W杯前は「自分に何が必要か分かる大会になる」と話していた。パリ五輪への思いは。 W杯で足りなかったところをBリーグで挑戦したり、体づくりの部分もやったりしてきた。1年間でどれだけ成長できたかを感じられる大会にしたい。 ―22年に大学を中退。パリ五輪出場を目指すべくプロに転向した。 大きな理由の一つがパリ五輪に出場することだった。それが今、現実になろうとしている。バスケ人生において一つの節目になるかなと思う。 ―W杯で一緒にプレーした渡辺雄太選手も出場する。 すごく楽しみ。一流選手になるためのマインドセットや、気配り、バスケに対する情熱を間近で感じることができて学びになった。また一緒にプレーできて光栄。 ―渡辺選手は来季はBリーグでプレーする。 日本で渡辺選手を見られるのは、またとない素晴らしい機会だと思う。 ―渡辺選手は「かしこまった文面のメッセージが届いた」と明かした。 連絡していいのかなって。僕なんかがおこがましいかなとか、ちょっと悩んだ。でもW杯でもすごくお世話になったし、連絡しておきたかった。 ―将来的な海外でのプレーも目標にする。パリは絶好の機会になる。 個人としてそのエゴが強くなるとチームファーストにならない。過去最高のベスト8というチームの目標に向けて、トムさん(ホーバス監督)から求められることを忠実にやる。その上で個人として評価していただけるなら、すごくうれしい。