死んだ時になかなか発見されない 「孤立死」は悪いこと?
東邦大学看護学部教授の岸恵美子氏は、毎日新聞政治プレミアの取材に応じた。孤立死について、「高齢者も単身世帯も増え、高齢者だけの世帯も増えています。死んだ時になかなか発見されないことは、ありうることだと思われるようになっています。すぐに見つけられなくてもしかたがないと思う人も増えているのではないでしょうか」と語った。 【写真】橋の下でひとり 岸氏は保健師の経験もある。「実際には孤立死は珍しい問題ではありません。自治体は目を背けず、通常の仕事として向き合ってほしいと思います」と言う。 メディアが孤立死のマイナスイメージを強調することについて、「問題なのは、生前の孤立、困った時に助けを求められない、必要なサービスが届いていないことです。孤立死の話ばかりではそこが見えなくなります」と指摘する。 そのうえで、「孤立死が悪いものと言われると、みな不安になります。社会には、自分の後始末をしてから亡くなっていただきたいということがあるのでしょう。しかし、準備ができる人は恵まれた方です。準備をする間もなく亡くなるのが普通です」と語った。