【陸上】やり投・北口榛花「納得はいかない」も61m83でV 世界一になって国内初試合飾る/水戸招待
◇水戸招待陸上(5月5日/茨城・ケーズデンキスタジアム水戸) 日本グランプリシリーズG2の水戸招待が行われ、女子やり投は北口榛花(JAL)が61m83をマークして優勝した。 北口榛花 初戦はハラハラV!一時は7位も「気持ちで投げた」ラスト2投で大逆転/DL蘇州 昨年のブダペスト世界選手権で優勝した北口。今年は1週間前のダイヤモンドリーグ・蘇州大会で62m97を投げて初戦を飾っていたが、“世界一”になってから国内では初の試合だった。 1回目は60m98をマーク。DL蘇州では60mに届かず苦しい展開となっていただけに、「ダイヤモンドリーグよりは良かった」と言うも、「その後に記録が伸びなかったですし、自分の感覚的に合っていない部分が多かった」。 2回目に60m53、3回目も60m15と、60mオーバーは続いたが、なかなかビッグスローは出ない。最終6回目にようやく61m83を投げたが、「納得はいっていません」と頬を膨らませた。 この日は得意とする追い風基調だったが、途中からは「体感と吹き流しが違って、横風や向かい風になることも」あった。加えて海外の高反発ピットとは異なることにも苦戦したという。 それでも、「久しぶりの日本での試合。ピットも良い条件にしてくださいました。手拍子もしてくれていたので、少し盛り上がるきっかけになったと思うので、やっぱりもう少し投げたかった」と悔しがった。 冬季のウエイトトレーニングなどの成果で土台は上がりつつも、「身体が少し硬い」。その中で「投げる瞬間にもやりたいことが頭によぎってしまって、止まる感じになる。何も考えずに投げるというのができなかった」と、試行錯誤の最中だ。 内定しているパリ五輪に向けて「焦りはない」ものの「このままじゃダメというのもわかっています」。この日の試合で「課題も出たので、(セイコーゴールデングランプリまでの)2週間の間で、考え事をしないように投げる練習が必要かなと思います」と次を見据えている。 試合後は多くの子どもたちが北口を待っていたため急きょファンサービスで、サイン入りポストカードを配った。パリ五輪イヤーで多くの注目を集めるなか、しっかりと結果と姿勢で応える姿はスーパースターの証だ。 次戦はセイコーゴールデングランプリで、“世界一”の選手を見られる数少ない機会。「ぜひスタジアムに来て応援してください!」と呼びかけていた。この2戦以上のパフォーマンスを披露するつもりだ。
月陸編集部