[山口県]「令和の米騒動」県内でも店舗では購入制限、新米出ても品薄続く?
「令和の米騒動」とも言われる全国的なコメ不足を受けて、山口県内のスーパーや直売所などでもコメの品薄が続いている。各店舗では購入制限などで対応するが、店頭価格の値上がりも相まって、消費者にとっては厳しい状況。9月に入り新米も並び始めているが、食卓に欠かせないコメの不足はいつ解消されるのか。 下関市清末五毛にあるJA山口県の農産物直売所「いただきま~と下関東部店」。5日に訪れると、店内には豊田町産コシヒカリの新米5キロが並ぶ傍ら、1家族1袋までの販売とする「おわび」が掲げられていた。 同店によると、通常は客の注文を受けて必要量を精米して販売。ただ、7月下旬から在庫が少なくなり、8月に入ってからは精米した5キロを並べ、販売数量を制限。それでも不足したため、萩市産や山口市産を融通してもらい販売することもあったという。 店頭での販売価格は5キロで税込み2800円。昨年と比べて600円ほど値上がりしている。それでも多くの買い物客がコメを見つけると手に取り、「もっと買えないか」などと店員に尋ねていた。 山田敦子店長は「毎日のようにお客さんから在庫確認の電話がきている。少しでも早くおいしいお米が皆さんに行き届くようになってほしい」と話す。 JA山口県や県農業振興課などによると、コメ不足は昨夏の猛暑によるコメの高温障害やインバウンド(訪日客)の外食需要の高まり、災害に備えた買い込み、加えて現在が新米が出回り始めるまでの入れ替え時期に当たるなど、さまざまな要因が重なったとみられるという。 また、昨今の物価高騰の中でコメ価格は大きな値上がりはなく、値ごろ感が強くなっていた上、今回の需給逼迫(ひっぱく)で価格が上昇したとみられる。 今後の見通しについては、新米が本格的に流通し始める9月中には品薄感が解消されるとの見方がある一方、「既に新米の流通は始まっているのに落ち着く気配がない。いつ解消されるか検討がつかない」との関係者の声も出ている。