家のWi-Fiルーター、ずっと“置きっぱなし”にしていませんか? 今年も年に一度の「見直し」を
INTERNET Watch編集部では、年に一度、11月11日に家庭でWi-Fiルーターの「見直し」をすることを、2023年から提案しています。 ■ 「動いているから大丈夫でしょ」とは限りません! 家庭にあるWi-Fiルーターの役割は「スマホやPCをインターネットに接続する」ですが、内部は「小さなPC」とも言える構造をしています。そのため、インターネットを介して悪意を持った攻撃者から侵入され、不正利用されてしまうと、インターネット接続を行いながら特定企業にサイバー攻撃を仕掛けるような、ユーザーが想定する役割を超えたこともできてしまいます。 一方で、家庭におけるWi-Fiルーターの利用実態は、大きなトラブルがなければ「つながっているから、問題ない」と思われ、何年も確認やメンテナンスがされず、「置きっぱなし」になっていることも少なくないでしょう。不正利用されていても、ユーザーはそれに気づきにくいのが現状です。 メーカーでは、高度化していくサイバー攻撃に対応しながら、ユーザーがこまめにメンテナンスを行わなくてもサイバー攻撃を防ぎ、安全が保てる機能を搭載した製品を発売しています。しかし、そうした機能の存在や意義も、まだ十分に知られているとは言えません。 問題なく動作していれば、特に気にする機会の少ないWi-Fiルーターですが、年に1回は、あらためて注目しての「見直し」を提案します。以下に、具体的な方法を3通り紹介します。 インターネット社会は全体がつながっていて、安全でないWi-Fiルーターを使っている家では何も問題がなくても、企業へのサイバー攻撃の原因になるなどして、周囲に悪影響が及んでしまうおそれがあります。インターネットの安全のため、皆様がWi-Fiルーターの「見直し」を行い、同時に、Wi-Fiルーターについてもっと知っていただけるよう、INTERNET Watchではこれからも情報の発信を行ってまいります。 ■ Wi-Fiルーター「見直し」、3つの提案 □1:設定画面を確認する Wi-Fiルーターの設定が自分でできる方は、まずはこの方法を。Wi-Fiルーターの設定画面を開いて、問題がないか確認しましょう。特に重要なのは、メーカーのサポート情報と照らし合わせてファームウェアが最新バージョンになっていること、設定画面にアクセスするためのパスワードが第三者に推測されにくいものになっていることです。 □2:診断サービスを使う 設定の確認はマニュアルを確認したり、詳しい人に頼んだりしないと難しいけれど、問題がないかすぐに確認したいという場合は、この方法を。Wi-Fiルーターが悪意のあるプログラムに感染しているかの簡易診断ができる「am I Infected?」というサービスがあります。利用は無料で、必要な操作は約30秒。約5分後に診断結果のメールが届きます。 am I Infected? □3:新製品に買い替える 「もう何年前に買ったか分からないし、設定画面の使い方を忘れちゃったから確認できないよ」という場合は、新製品に買い替えることを検討しましょう。できれば、メーカーのウェブサイトで、家で使っている製品のサポートが終了していないか確認してみてください。近年のWi-Fiルーターは「置きっぱなし」でも安全性を保ちやすい機能を搭載しています。また、もちろん性能も向上していて、インターネットをより快適に使えます。 この提案の作成にあたり、横浜国立大学の吉岡克成教授の監修を受けるとともに、提案内容に関して一般社団法人デジタルライフ推進協会(DLPA)の協賛を得ています。 吉岡克成教授 プロフィール 情報システムセキュリティ、IoTセキュリティの研究に従事。総務省サイバーセキュリティタスクフォース、サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議など、多くの政府有識者会議委員を務める。 2009年文部科学大臣表彰・科学技術賞、2016年産学官連携功労者表彰総務大臣賞、2017年情報セキュリティ文化賞各受賞。 横浜国立大学大学院環境情報研究院/先端科学高等研究院・教授、同学CISO。 ※11月11日にWi-Fiルーターの見直しを提案するのは、Wi-Fiルーターの外部アンテナが立っている様子のイメージにちなんでいます ※ここでは代表的な製品名として「Wi-Fiルーター」を挙げていますが、「ルーター」「ホームゲートウェイ」など、家庭でのインターネットへの接続に使用される機器すべてに同様の見直しを提案いたします
INTERNET Watch,編集部