大阪・地下道串カツ店に退去戒告書 店は営業続ける姿勢
大阪北区梅田にある地下道の拡幅工事に伴い大阪市が立ち退きを求めている問題で、道路管理者の同市は11日、行政代執行法に基づいて12日までに同所から退去を求める戒告書を交付した。それと同時に強制撤去に向けた手続きを始めた。12日までに退去しなかった場合は、店の強制撤去を行う。同店は当初の期限となっている10日をすぎても営業を継続。11日も夜まで営業。店の判断で午後6時半で閉店しているが、問い合わせる客に対して「明日は早めに来てもらえれば」と話すなど、営業を続ける姿勢を見せている。
10日に大阪地裁に命令執行停止の申し立て
松葉は1949年に大阪駅で開業。後に、今回の地下店もオープンし、同市は「松葉」など同地下道で営業する飲食店などに1年ごとに地下道の「道路占用許可」を出していた。しかし、阪神百貨店の建て替えに伴う地下道の拡幅工事のため占用許可の更新を昨年9月で打ち切った。 このため、旅行に行かなくても各地のみやげが買えるとして「アリバイ横丁」の名で親しまれたみやげ物店や古書店、薬局など大半の店は退去した。だが、松葉など5店は営業を続けており、松葉は「一方的に退去を決められた」として今年4月、同市に地下道占用許可更新を求め提訴。大阪地裁で争っている。 期限をすぎても松葉など5店舗は営業を継続。これに対し同市はは11日、行政代執行法に基づいて12日までに退去を求める戒告書を交付した。 同時に強制撤去に向けた手続きを開始。期日までに自主的に退去しなかった場合は、店の設備などを強制撤去する。ただし、その撤去費用は店側が負担することになるという。一方、松葉はこうした動きを受け、10日に大阪地裁に命令執行停止の申し立てを行っている。
問い合わせる客に「明日早めに来てもらえれば」
11日も松葉は営業を続け、連日、報道を見た人たちが行列を作り串カツを味わう光景がみられている。同日午後7時ごろになると、その行列がなくなっていた。店の関係者によると「きょうもえらい並んでもうたんですが、判断で(午後6時半)営業終了を決めました。あしたも早めに閉まると思う。申し訳ないです」と話す。また「あしたもやるの?」と問い合わせる客に対しては「早めに来てもうたら」と返答しており、あす以降も営業を続けるとみられる。 通行人の中には、店の関係者に対し「がんばって」という声をかけている人もいたり、写真撮影を撮る人も多くいたが、その光景を見て「もめんといてほしいなあ」と話しながら歩く人たちの姿もあった。