「ダメな役が似合う」錦戸亮、話題ドラマ好演に出演作続々で“返り咲き”の裏に退所の功名
放送中のドラマ『不適切にもほどがある!(以下、ふてほど)』(TBS系)が話題だ。 【流出写真】錦戸亮のカラオケ熱唱!お相手は嵐・大野智の元カノ!? 「クドカンこと宮藤官九郎さんが脚本を務め、阿部サダヲさんが演じる主人公は'86年の昭和を生きるオジサンなのですが、令和にタイムスリップしてしまうというコメディードラマです。昭和の価値観での“不適切”な言動が、現代の人々を振り回しながらも、考えるキッカケを与えていきます。物語は中盤に差しかかり、主人公を待つ“運命”が大きな反響を呼びました」(テレビ誌ライター、以下同) “運命”のカギを握っていたのは、第5話にゲスト出演した錦戸亮だった。
錦戸は「大人の悲しさを演じられる」
「仲里依紗さんが演じているのが現代のテレビ局員。主人公は、彼女の父親に会うことに。父親役は古田新太さんが務めました。そして実は、古田さんは主人公の娘の結婚相手で、仲さんは主人公の孫だということが判明。娘と古田さんのなれ初めや、主人公にこれから起こることについて話を聞くことに。古田さんの若かりしころを演じたのが、錦戸さんでした」 錦戸はディスコの黒服をしていたが、地元・神戸に帰ってテーラーに転身。主人公のために背広を仕立てようと、神戸に呼び寄せて採寸を行った。しかし、まだ慣れない作業に時間がかかってしまって終電に間に合わず、翌朝に発生した阪神・淡路大震災で、主人公とその娘は亡くなってしまうのだった。 コラムニストの吉田潮さんは、『ふてほど』での錦戸の演技をこう評価する。 「クドカンのドラマは、大人の悲しさを演じられる人じゃないと、うまく回らないので、よかったと思います」 また、錦戸の29年後を古田が演じたことも話題になったが、 「笑顔で見送った2人が亡くなってしまって“自分がもっと仕事を早くできていれば”という後悔と罪悪感があるじゃないですか。それも含めて、古田さんぐらいに見た目が老けてしまったという計算なのかなと」(吉田さん)
プロも脱帽した“腕前”
撮影が行われたのは、1月下旬。スーツを仕立てるミュージカルシーンは、東京・荻窪にある『テーラーまなべ』でロケが行われた。 「大事なシーンになると、事前に聞かされていました」 こう話すのは、『テーラーまなべ』の真鍋康昭さん。 「シリアスなシーンの撮影でしたが、撮影チームは和気あいあいとした様子でした。錦戸さんも気心の知れたスタッフさんがいたようでしたよ」(真鍋さん、以下同) チームワークも抜群で、 「錦戸さんとスタッフさんが、カメラの映り方などについて意見を交わす場面も。演技に納得がいかないと“もう1回お願いします!”と、錦戸さんが自ら撮り直しを志願して、よりよいシーンを作ろうとしていました」 真鍋さんが最も驚いたのは、錦戸の“腕前”だったという。 「足踏みミシンを使う場面では、本番前に30分ほど使い方をレクチャーしました。とにかく一生懸命、練習していたのを覚えています。初めての人に指導をしても、1日で使える人はほとんどいないのですが、錦戸さんはたった30分の練習でサマになっていて驚きました。本番中は、少しでも違和感があると“真鍋さーん!”と呼ばれて、ミシンの手直しをしたり、教えたりしました」 採寸も、歌詞に沿って指導。 「ただ、慣れていないという設定で下手に見せるシーンだったので、教えながら“これじゃ下手に見えないね”といったやりとりをしました」 震災前夜の居酒屋のシーンは、神戸ではなく都内の飲食店で撮影。 「従業員によると、撮影は深夜から早朝にかけて行われたそうです。放送から数日後でも“聖地巡礼”のファンが来ているとか。ドラマでは、店内を小道具などで、'95年仕様に見せていましたが、錦戸さんが使っていた“おちょこ”は実際にその店で使われているものだそうです」(店を訪れた客)