巨人「つなぐ3番」今季1号V弾はチーム昨年8月以来の初回アーチ 守備でも魅せた
◆JERA セ・リーグ ヤクルト1―2巨人(10日・神宮) 巨人がヤクルトを下し、3連勝で貯金3とした。1点リードの7回には小林誠司捕手(34)が21年以来、3年ぶりとなる1号ソロ。初回2死からは吉川尚輝内野手(29)が右越えに先制1号ソロを放ち、前回対戦で完封を許したヤフーレに2発でお返しした。 【動画】吉川尚輝がフルスイング!笑顔で打撃練習 * * * 夕焼けの神宮を切り裂く一発だった。0―0の初回2死、吉川は1ボール1ストライクから、ヤフーレの内角に食い込むカットボールに腕をたたんで反応した。「打てたのはたまたまですけど、先制できたので良かったなと思います」。今季1号ソロ。一塁をすぎたところで右翼席最前列に飛び込んだのを確認すると、ようやくスピードを緩め、今季初めてダイヤモンドを1周した。 初回のアーチは、昨年8月13日のDeNA戦(東京D)でブリンソンと大城卓が放って以来で、今季チーム140打席目で初。前回完封を許した右腕から先手を奪うことに成功した。4月28日のDeNA戦(横浜)から11戦連続で3番スタメン。初回のホームランに加え、8回に左前安打を放ち、マルチ安打とした。これで3番に入ってから45打数15安打、打率3割3分3厘。「後ろにつなぐだけだと思っていますし、チームが勝つために全力で考えてやっています」。あえてクリーンアップの意識を持たない「つなぐ3番」が機能している。 持ち味の守備でもチームを助けた。2点リードの7回無死、長岡の二遊間へのゴロを逆シングルでさばき、振り向きざまにジャンピングスロー。間一髪でアウトにした。先発の戸郷は「もう守備もうまいですし、助けられてばかり」と感謝した。 今季はここまで主将の岡本和とともにフル出場を続ける。「目標はリーグ優勝、日本一。そのために貪欲にやっていきたい。とにかく勝ちたい、それだけです」。たくましくなった背番号2が、攻守でチームをけん引する。 (井上 信太郎)
報知新聞社