阪神・佐藤輝明が初のサヨナラ安打 球団ワースト10試合連続2得点以下でも3連勝で借金完済
勝てばええねん! 阪神は2x-1で巨人にサヨナラ勝ちし、引き分けを挟んで今季初の3連勝。延長十回、無死満塁で佐藤輝明内野手(25)が右前へサヨナラ安打を放った。2得点以下は球団ワーストに並ぶ10試合連続になったが、この間は4勝4敗2分けで、勝率も5割に復帰。歴史的貧打でも首位中日に2・5ゲーム差と迫り、19日からの3連戦に臨む。 【写真】阪神・佐藤にウオーターシャワーを浴びせるナイン 眠っていた大砲が目覚める。火の出るような打球は一、二塁間を抜けた。地鳴りのような大歓声。苦しみ抜いた先に待っていた歓喜のウオーターシャワー。劇的勝利を己のバットで導いた佐藤輝は、満面の笑みであの瞬間を振り返った。 「最高です! (ウオーターシャワーは)いやあ、ちょっと寒かったですね。めちゃくちゃかけられました。うれしかったです」 今季4度目の延長戦。1-1で迎えた十回、中野、森下の連打で無死一、三塁とすると、大山の初球で一走・中野が二進し、4番は申告敬遠。無死満塁の絶好機で打席が巡ってきた。 「回ってきたら絶対に決めてやろうという気持ちで入りました」 巨人の守護神・大勢の直球に食らいつく。「フォークも頭にはあったので、考えながら」。白熱の展開にも冷静さを心がける。「真っすぐ勝負だったので、振り負けないようにいきました」。カウント2-2からの6球目、155キロ直球を引っ張った。飛びついた一塁手の横を抜け、白球は右翼芝生へ。犠飛で決めた昨年8月12日のヤクルト戦(京セラ)以来のサヨナラ打。甲子園では初、サヨナラヒットも初。4万2586人の大歓声とナインからの手荒い祝福を何度も何度も飛び跳ねて受け止めた。 「それまでチャンスで凡退とかあったので、最後は決められてよかったと思います」 打率・194と低空飛行。この日も劇打の前は3三振と決して調子がいいとはいえない。なんとか状態を上げようと、京セラドームでの試合では「裸足の方が足の裏の感覚がつかみやすい」と素足になってバットを振り込んだ。前週の甲子園では全体練習後にブルペンに直行し、素振りを敢行した。 もがき苦しんできたからこそ、野球の神様は最後にほほ笑んでくれる。打線は球団ワーストタイの10試合連続2得点以下と歴史的な貧打の中でも3連勝して、借金を返済。3カードぶりにカード勝ち越しも決めた。