大型連休、「行くべき旅行先」効果 市内各所で観光客増【山口】
米有力紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)で、今年行くべき旅行先52選の3番目に山口市が選ばれて迎えた大型連休(4月27日~5月6日)。コロナ禍明けの影響もあり、記事に触れられた市内各所や周辺施設では観光客が増加し、緩やかながら選定の効果が感じられた。 国宝瑠璃光寺五重塔がある香山公園は連日、多くの観光客でにぎわった。同公園前観光案内所の職員は「駐車場が満車になるのはめったにないことで、駐車するまで渋滞して大変な様子がうかがえた。天候にも恵まれた3、4日は特に人が多かった」と話す。 公園内ではアジア系の訪日ツアー客や欧米人の姿も見られた。NYTの報道を紹介しながら案内していた市観光ボランティアガイドの会の女性は「九州、関東からのお客さんが多い。東京からはニュースで知って来た人も多数いた。コロナ禍明けや円安の影響も受け、観光客は昨年より間違いなく増えた。五重塔が完成したらまた来たいという声も頂き、市の魅力を周知していきたい」と語った。 大殿地域の観光施設も来場者が増加した。市菜香亭では、曜日の関係もあり単純な比較は難しいが、昨年の大型連休(4月29日~5月7日)と比べても1・7倍増の442人。観光案内所「大路ロビー」は昨年並みの218人の来場だったが、近接する幕末ミュージアム「十朋亭維新館」は昨年の大型連休期間中の来場者620人から今年は756人に増加。職員の篠田奈央さんは「関東、中部、九州を中心に県外者が7割を占めた。あまり見る機会が無かった欧米系の外国人客も見られた。NYTの記事に触れて『山口は今が頑張りどきだ』とありがたい言葉も頂いた」と効果を実感する。 湯田温泉のユウベルホテル松政、かめ福オンプレイス、西の雅常盤の宿泊施設では連休中は例年同様、いずれもほぼ満室。かめ福の担当者は「外国人客の姿もちらほらあるが、効果はまだ先ではないか」と期待を寄せる。湯田温泉2丁目の観光回遊拠点施設「狐(きつね)の足あと」では、5月3~5日の1日平均来場者数が昨年から200人増の1000人に。職員の徳本由貴さんは「連休中は日本人が多かったが、報道後に平日の外国人客が増えたのは確か」と話した。