男子アメリカ大学サッカー留学JAPANトライアウトin 関東が開催 WithYou中村亮代表が語る
全国高校サッカー選手権準決勝が行われた1月6日、横浜市青葉区にある國學院大學たまプラーザキャンパスグランドでは彼らと同年代の選手91人が自身の夢、目標に向かい、一つのボールを追いかけていた。 海外へのスポーツ留学などをサポートする株式会社WithYouが主催する「男子アメリカ大学サッカー留学JAPANトライアウトin 関東」。今回で14回目となる。 「アメリカのカレッジスポーツには世界中から選手が集まってくるなか(アメリカへのサッカー留学を)日本の文化のひとつとして根付せたい」。そう話すのが、元Jリーガーで現在、WithYou代表取締役を務める中村亮さん。 立ち上げから10年余り。400近いアメリカの大学とネットワークを持つWithYouのサポートをうけた選手が、アメリカでプロサッカー選手への道を着実に歩んでいる。 昨年12月には神戸弘陵(兵庫)卒業後、マーシャル大学でプレーするMF沖吉大夢がアメリカプロ1部MLSスーパードラフト候補を前提としたカレッジショーケースに招待された。また聖望学園(埼玉)卒業でウエストバージニア大学所属のMF塚田悠太郎がMLS1部オーランド・シテイSCに指名され2024シーズンの入団が決定するなど、WithYouが選手たちの道しるべとなっている。 一昔前、アメリカのサッカーといえば、あまりイメージはなかった。しかし近年は大きく様変わりしている。 昨年、アメリカMLSインテル・マイアミにアルゼンチン代表FWリオネル・メッシの加入が大きな話題となるなど、サッカーはいまやバスケット、野球、アメリカンフットボール、アイスホッケーのいわゆるアメリカ四大スポーツに及ぶまでに注目されている。 他方、10代でヨーロッパの強豪クラブに加入するケースが増えるなど、アメリカサッカー全体のレベルがあがり、裾野が広がっている。そんななか大学サッカーへ注目もまた集まっており、その熱はいま日本人選手に注がれつつある。 午前・午後の2部構成となった今回のトライアウトでは4チームに分かれ、1試合20分の総当たり戦が行われた。 驚くのはライン際にアメリカの8つの大学からやってきた監督・コーチが熱い視線を向けていたことだ。 なぜ、彼ら指導者はわざわざこのトライアウトのために、日本にやってきたのか。 中村氏はワールドカップ・カタール大会での日本代表の躍進。そして実際、アメリカに渡った日本人選手が活躍していることを挙げ、「日本人選手の価値が高まっている」と要因をあげている。 一方、トライアウトを受ける選手の目的、目標はさまざま。 日本の大学やJリーグのトップ昇格を断って、アメリカの大学を目指す選手。日本の大学を見据えながら、選択肢のひとつとして考える選手。たとえプロになれなくとも、日本での就職を踏まえ、語学習得を考える選手など、さまざまいる。 とはいえ、一言でサッカー留学といっても、費用は?語学は?授業は?生活は?と疑問と不安がつきまとう。 実情がわからない。わかりにくいからこそ「透明感のあるものを提示したい」と中村氏。 トライアウトでは、前述のように大学の監督・コーチが直接、選手をその目で見たうえで、オリエンテーションでは施設・環境、どのような選手を求めているかなど、各大学のプレゼンテーションを行った。またゲームが終わったあと、選手と直接、プレーへの評価、留学の目的など、通訳を介しながら、伝えあうことができる。 透明感をわかりやすさ、公明正大さとするのならば、これらは誠実さに。誠実さは説得力に。説得力は安心感へ。そして実績につながっていくことがわかる。 なお第15回男子トライアウトは3月11日に関東で翌12日に関西で行われる予定としている。 (文・写真=佐藤亮太)