月収40万円越えも? 人気沸騰の「リゾートバイト」、その知られざる実態と闇が見えてきた
人気の観光地ほど低時給
ここ1年間で、石垣島で3度のリゾートバイト経験があるカオルさん(仮名/26歳・女性)も、Xのポストに驚きの声をあげる。 「私が体験したリゾバは全て石垣島の観光地での求人だったので人気が高く、低時給の求人でもかなりの人が集まっていたようなんです。だから、私もXのポストの方と同じく派遣会社を通さない直雇用でしたが、それほどまで高時給な求人はありませんでしたね。私の場合、1度目はマリンショップのツアーガイド業務で時給1000円。2、3度目はホテルのフロントやベルスタッフで時給1400円でした」(カオルさん) 時給1000円~1500円というと、一般的なアルバイトと比べて変わらないか、少々高いぐらいの時給水準だろう。リゾートバイトの時給や待遇の差は、“勤務地が人気の観光地かどうか”、そして“雇用形態が直接雇用か派遣会社経由か”という点が大きく関係していそうだ。
業務が過酷なことも
2人の話によると、どの業務も1日8時間労働で1時間の休憩を挟むシフト制、週休2日が基本スケジュールとのこと。 しかし、そのなかでもカオルさんの体験したマリンショップのツアーガイド業務は過酷な労働環境にあったという。 「ツアーガイドなので準備や移動もあるため勤務開始は8時からと朝早く、勤務終了は23時を過ぎることもありました。お客様の写真を現像するなどアフターケア的な業務は、勤務時間外に行うこともしばしば。要するに、1日8時間労働ということになっていましたが、拘束時間はもっともっと長かったというわけです。 1年前に行なった初めてのリゾバ体験で、業務も面白かったのでさほど辛いとは思いませんでしたが、時給は1000円と低いですし、いま思うと“ブラックバイト”と言えたかもしれませんね」
“短期間で稼ぐ”だけが目的ではない
カオルさんは昨年から現在まで石垣島で生活を続けているそうだが、「想定していたよりも稼げない」という実情は、リゾートバイトのデメリットとは捉えていないのだろうか。 「もちろん、稼げればそれに越したことはありませんが、私は石垣島に長期滞在する目的でリゾバを始めたんです。ですから時給の低さはそれほどネックにはなりませんでした。東京で一人暮らしをするよりはリゾバでの生活のほうが生活費もかさみませんし、昔から大好きだった沖縄で生活できるというのは、私にとってそれだけで魅力的なポイントだったんです」(カオルさん) なるほど、リゾートバイトは短期間で稼ぐという目的だけではなく、人によっては好きな土地で生活費を抑えて滞在できるというメリットもあるようだ。