石川県内、フィットネス競争過熱 金沢マラソンで需要増 地元企業がランニング専門ジム
●県外資本も出店攻勢 石川県内でフィットネス施設の出店が続いている。金沢市内では地元企業がランニング専門ジムを開業。同様のジムは北陸初とみられる。全国展開している県外資本も昨年秋の進出から1年間で9店舗に拡大し、今月に10店舗目を予定する。2015年に始まった金沢マラソンの効果で市民ランナーが増加しており、高まる運動需要の獲得を目指して各社の競争は過熱している。 金沢市菊川1丁目に開業したのは、低酸素の高地トレーニングを疑似的に再現した個室で走ることができるランニング専門ジム「3R」。五つの個室にランニングマシンがあり、標高2700~2800メートルを想定した酸素濃度15%程度の低酸素ルームをつくる機械を設けた。個室内では鏡で走るフォームを確認でき、走りながら動画を視聴できるモニターもある。 ジムは整体院などを運営するTAKUMI(金沢市)の新事業。ランナーでもある河端拓実代表が季節や天候に関係なく、初心者も他人の目を気にせずに走れる空間づくりを目指した。24時間営業で、月額会員制となっており、利用は予約が必要となる。 ●進出1年で10店舗 既存のフィットネス各社もランニング需要の獲得に動いている。 24時間営業の小規模無人ジム「chocoZAP(チョコザップ)」を展開するRIZAP(ライザップ、東京)は14日、白山市内に初出店する。昨年10月の石川1号店開業から1年余りで10店舗体制となる。 同社の会員を対象に行った調査では、有酸素運動が好きな人が多い都道府県ランキングで石川県が4位に入った。担当者は「需要は高く、出店の余地がまだある」と話した。 スポーツクラブヴィテン(金沢市)は、ジムの会員とスタッフがチームを組んで、「利家とまつ」金沢城リレーマラソン(同実行委、北國新聞社主催)への出場を続けている。ランニング初心者も継続してトレーニングできるよう、チームで交流を深めて会員をサポートしている。エイム(金沢市)は白山市の施設「エイムフェイス」でランニングに特化したサークル活動を行い、走ることに興味を持つ人を呼び込んでいる。 ●使い放題の会員制度 北國・富山新聞文化センター 北國新聞文化センターは、金沢市の金沢南スタジオ、富山新聞文化センターは高岡市の高岡プラザで、ランニングや筋力トレーニングのマシン、プールが使い放題のフィットネス会員を募集している。金沢南スタジオは今年から金沢市営陸上競技場で、子どもや大人、親子向けにマラソンや走り方の講座を新たに設けた。金沢本部教室やアピタ松任店スタジオなどの各教室ではヨガや筋トレといった健康増進に役立つ講座を用意している。