高校生の自転車ヘルメット着用、義務化か各校判断か・・・地域で割れる対応 山口県は全体の着用率30%超え全国トップ5
高校生の自転車通学時のヘルメット着用で、中国5県の県教委の対応が割れている。山口、鳥取は県立高で着用を校則などで義務化する一方、広島など3県は規則を定めず「各校の判断」などとする。警察庁が12日に公表した調査では、山口、鳥取の着用率は30%を超え、全国平均(17・0%)を大幅に上回った。 【一覧表】47都道府県の自転車用ヘルメット着用率 山口県教委は、4月から全ての県立高の校則で通学時や、部活動での移動時のヘルメット着用を定めた。昨年4月施行の改正道交法で着用が努力義務になったのを受けた対応。昨年度は移行期間として各校が生徒に着用が安全につながることを呼びかけたという。 県教委は、高校生の自転車事故が目立つとした上で「中学生はほぼ100%がかぶっている。高校生の事故の方が多いのにかぶらないのは合理的でない」とする。県立高の対応に合わせる私立高の動きもあるという。 鳥取県教委は、昨年度から着用を自転車通学の条件とした。「ヘルメットは事故時に頭部を守る。購入費は家庭の負担になるが、命には代えられない」と説明。同県では県民に自転車乗車時の着用を促す条例が2016年に施行されており、大きな反発はなかったという。 警察庁が公表した着用率の調査では、山口は34・2%(前年比12・7ポイント増)で全国で5番目、鳥取は32・7%(同1・8ポイント増)で6番目。自転車を使う機会が多い高校生の着用が、全体を底上げしたとみられる。 他の3県の着用率は、広島11・3%(同4・7ポイント増)▽岡山11・5%(同4・1ポイント増)▽島根17・3%(同6・0ポイント増)。広島県教委は着用を「各校の判断に任せている」とする。生徒に押し付けるのではなく、生徒自身が着用の意味を主体的に理解することが大切だと強調。「通学の時だけでなく、日常的にかぶらなければいけない」とも説明する。 岡山県教委も「高校生は成人の一歩手前。ヘルメットの必要性は自ら考えるべきだ」とし、義務化は検討していない。島根県教委は購入費の家庭負担がネックだとする。また、「『大人がかぶっていないのに高校生だけに強制するのか』と生徒に言われたら反論できない」とも明かす。
中国新聞社