もし「脳卒中」になったらどうする?…脳出血・くも膜下出血・脳梗塞 命を守るための正しい対策
身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。 メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。 ドクターは、杏林大学医学部付属病院 脳卒中センター センター長 医学博士 平野照之先生です。 【動画】脳梗塞の原因のひとつ”高血圧”...座ったままで簡単「血圧ストレッチ」はこちら【1分5秒~】 今回のテーマは「~脳出血・くも膜下出血・脳梗塞~生還者に学ぶ!脳卒中の正しい対策」 脳の血管に障害が起こる病気の総称「脳卒中」。血管が破れる「脳出血」や「くも膜下出血」、血管が詰まる「脳梗塞」があり、年間約10万人が亡くなっているそうです。治療は1分1秒を争い、早急に治療をしなければ命を落としてしまうのだとか。そこで今回は、脳卒中から命を守るための正しい対策を専門医に教えてもらいました。
脳卒中の基礎知識
<脳卒中とは?> 脳卒中とは、脳の血管に障害が起こる病気の総称。血管が破れる「脳出血」や「くも膜下出血」、血管が詰まる「脳梗塞」があるそうです。 <脳出血とは?> 脳出血は脳の細い血管が破れる病気の1つ。脳の中に血が溜まる事で、血流障害や脳を圧迫し、頭痛・めまい・手足の麻痺など、さまざまな症状を引き起こすそうです。 <くも膜下出血とは?> くも膜下出血も脳の血管が破れる病気の1つで、脳の表面の太い血管にできたコブが破れる事によって発症します。これが起こると脳の中は血の海になり、激しい痛みや吐き気を伴い意識を失う事もあるのだとか。主な原因は高血圧や動脈硬化といった生活習慣病だそうです。 <脳梗塞とは?> 脳梗塞とは、脳の血管が詰まり、その先の脳細胞に血液が行き渡らず脳の組織が壊れてしまう病気だそうです。
「脳出血」「くも膜下出血」から命を守る3つのポイント
(1)発症は起床時に要注意! 血圧は、就寝中に一時的に降下しますが、朝目覚める時間が近くなると上昇します。これにより脳の血管に負担がかかり、脳卒中を発症しやすい傾向にあるのだとか。また、日頃から高血圧の原因となるアルコールやタバコを嗜んだり、脂っこい物を好んで食べたりする人などは脳卒中のリスクが高まるため特に注意が必要だそうです。 (2)突然起こる強烈な頭痛がサイン 脳は神経が集まっている部分。少しでも触ると痛そうですが、実は脳そのものには感覚の神経が無く、痛みを感じないそうです。痛みを引き起こしているのは、頭の血管や筋肉、脳を包んでいる硬膜。そのため、脳で出血が起こると出血が脳の膜に刺激を与え、強い痛みを起こすのだとか。一方、くも膜下出血の場合は、破裂した脳動脈瘤から流れ出た血液が、時間をかけて脳全体を覆い、その刺激が強い痛みを引き起こすそうです。 <吐き気にも要注意!> 先生によると、くも膜下出血の場合は痛みと共に強い吐き気をもよおすのが特徴だそうです。出血が酷い場合、時間が経つにつれて血が血腫と呼ばれる血の塊へと変化します。これが、脳の中にある嘔吐中枢と呼ばれる部分を圧迫し、吐き気を伴うのだとか。激しい頭痛とともに、吐き気・意識障害・失禁などの症状が出た場合はかなり危険な状態。一刻も早く病院へ行き治療を受ける事が命を守る鍵となるそうです。 <くも膜下出血の前兆「警告頭痛」> 脳出血は前兆がない事がほとんどだそうですが、くも膜下出血は前触れがあるそうです。それが「警告頭痛」。警告頭痛は、動脈瘤からの少量の出血が原因。その特徴は、さほど痛みの強くない頭痛が数日~数週間続く事。しかし、一時的な痛みを繰り返すので片頭痛と勘違いし、くも膜下出血の前兆と気付けない事が多いそうです。 (3)救急隊に頼る事が生死を分ける 脳卒中から命を守り、後遺症を回避するためには1分1秒でも早く治療を開始する事が大切だそうです。救急車を呼ぶ事は決して恥ずかしい事ではありません。身体に異常を感じたら、すぐに119番をしましょう。救急車に乗ると、救急隊員が適切な病院を判断してくれます。自分で病院を探していると間に合わないので、救急隊員に頼る事も大切だそうです。