ドジャースとの契約合意が報じられている山本由伸（MLB Advanced Media）

　米メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者が報じたところによると、ドジャースと12年3億2500万ドルの超大型契約を結ぶことで合意した山本由伸は、6年目（2029年シーズン）終了時と8年目（2031年シーズン）終了時にオプトアウト（契約破棄）できる権利が与えられているようだ。ただし、ローゼンタール記者は「契約はバックロード（後半になるにつれて年俸が上がる）形式になっており、オプトアウトした場合は高年俸を放棄することになる」と付け加えている。 　山本の契約には5000万ドルの契約ボーナスが含まれていることが明らかになっており、ローゼンタール記者によると、この5000万ドルは2024年シーズンに支払われるようだ。まだ詳細は不明だが、残りの2億7500万ドルが山本の12年間の年俸となり、単純計算で1年あたり約2300万ドルを得ることになる。 　しかし、長期契約ではよくあることだが、契約の後半になるにつれて年俸が上がる形式になっており、山本がメジャー1年目から約2300万ドルの年俸を得るわけではないとみられる。たとえば、7年目以降の年俸がかなり高く設定されているのであれば、6年目終了時のオプトアウト権行使には慎重な判断が求められることになるだろう。 　また、ポスティング制度による譲渡金は、山本がオプトアウト権を行使した場合、山本がドジャースに在籍した期間で得たサラリーのみが対象になるため、現時点では約5000万ドルの譲渡金の全額が支払われる保証はない。1つ目のオプトアウト権が6年目終了時のため、最初の6年分の契約は確定している。よって、最初に支払われる譲渡金はこの6年分に該当する部分だけということになりそうだ。 　山本が1つ目のオプトアウト権を行使しなければ、7～8年目に該当する譲渡金が追加で支払われ、2つ目のオプトアウト権も行使しなければ、9～12年目に該当する譲渡金も支払われるとみられる。李政厚（イ・ジョンフ）がジャイアンツと契約した際にも、オプトアウト権の行使によって譲渡金が変動する旨が報じられており、山本の場合もオプトアウト権を行使するかしないかで譲渡金は大きく変動することになると思われる。