【イベントレポート】草笛光子「九十歳。何がめでたい」イベントで唐沢寿明に「同い歳じゃないの?」
映画「九十歳。何がめでたい」の“祝公開前日祭”が本日6月20日に東京・丸の内ピカデリーで行われ、キャストの草笛光子、唐沢寿明、真矢ミキ、藤間爽子、LiLiCo、宮野真守、監督の前田哲が登壇した。 【動画】映画「九十歳。何がめでたい」予告編(他13件) 2023年に100歳を迎えた作家・佐藤愛子のエッセイ集をもとにした本作。草笛が断筆宣言をした90歳の作家・愛子を演じ、唐沢が愛子にエッセイの執筆を依頼する編集者・吉川真也、真矢が愛子の娘・杉山響子、藤間が孫の桃子、LiLiCoが愛子行きつけの美容院の美容師、宮野が吉川の上司・倉田拓也に扮した。 唐沢にエスコートされ登場した草笛は「とっても楽しい映画になっているはずです!」と挨拶。唐沢が「感無量です! 90歳で映画主演されたのはこの方が初めて。素晴らしいです」とたたえると、草笛は「(私たち)同い歳じゃないの?」ととぼけて会場を笑わせる。そして真矢は「いち早く観ていただけてうれしいです。お1人おひとりに感想を伺いたいです」と続いた。 藤間は「草笛さんがかわいくて、チャーミングでかっこよくて素敵で! 若者代表として、若い人にもこの映画を観てほしいと思っています」と述懐。宮野は「普段声優という仕事をしているので実写映画のオファーが来たことに驚いたんですが、さらに唐沢さんの上司役だということで、ビビり散らかしまして! でも台本を読んでなるほどなと。現場では唐沢さんが何気ない話をして和ませてくださって、とても楽しかったです」と振り返る。LiLiCoは自身が淀川長治賞を受賞したことに触れつつ「たくさん洋画を紹介してきたということで受賞したんですが、今日は邦画ということですごく不思議な気持ちです」と話し、「3世代で観られる珍しい映画! 99分という尺もちょうどいいです。広めてください」とアピールした。 イベント終盤には、主題歌「チーズ」を担当した木村カエラがサプライズで登場。木村は「『チーズ』は愛子先生の潔い生き方、スカッと晴れた空のような世界観と勢いがかっこいいなと感じて、軽快な音にできればと思い作りました」と明かし、「私はこの映画を観たあとに、心がすごく軽くなりました。シンプルに生きる方法、素直であっていいと教えてくれる素晴らしい作品だと思います。お友達に観たほうがいいよ!って伝えてください」と語りかけた。 最後に前田は「丹精込めて作った映画です。我が子がどう育っていくか楽しみです」とコメント。草笛は「私も90歳になりました。何がめでたい?って、自分じゃよくわかりませんけれど、どうぞこれからもよろしく!」とほほえみ、イベントの幕を引いた。 なおイベント中にはサプライズで佐藤本人からの手紙が読み上げられる一幕も。草笛は「びっくりしました! うれしいです。しがみつきたいぐらい!」と喜んでいた。手紙全文は下記の通り。 「九十歳。何がめでたい」は明日6月21日より全国ロードショー。 ■ 佐藤愛子の手紙全文 草笛さん、映画「九十歳。何がめでたい」の完成、おめでとうございます。お疲れ様でした。常人にはとても理解できない佐藤愛子という人間を演じた草笛さんには、つくづく私のおかしさが身にしみて、困惑されることも多かったのではないかと思うと、同情申し上げるやら申し訳なく思うやら。心中察するに余りあります。 幼稚園児やメイド服、幽霊やら落ち武者など、私が親しい友人に送った年賀状のコスプレ写真の撮影にも大変苦労されたと聞きました。肺炎になられたと聞いたときには驚きましたが、たちまち回復されて、さすが90歳、まだまだ若いと、ホッと胸を撫で下ろしました。 私は「九十歳。何がめでたい」の最後に、《人間は「のんびりしよう」なんて考えてはダメだということが、九十歳を過ぎてよくわかりました》と書きましたが、百歳になったこの頃は、「のんびり」というのがどういう状態なのか、わからなくなってきました。「のんびり」しているのではなく「ぼんやり」しているだけなのか。今から思えば、あの頃はすごく元気だったんですね。九十歳の草笛さんののんびりと、百歳の佐藤愛子ののんびりは違うと思います。今後お目にかかる時にお互いの「のんびり」について話し合いましょう。その日を楽しみにしています。お元気で。 2024年6月20日 (c)2024映画「九十歳。何がめでたい」製作委員会 (c)佐藤愛子/小学館