ヤマハ RD400デイトナ・スペシャルは“ジェット機”っぽさがイイ!? 今や400万円超の希少な空冷2ストロークモデルの最終型に迫る
1970年~1980年代に発売された国産旧車が、“絶版旧車”と呼ばれ人気だ。当時憧れていた世代はもちろんのこと、今どきのヤングライダーたちも“カッコいい!”と、注目する絶版旧車の魅力を、バイク好きの俳優・押田岳と元バイク雑誌編集長・カワニシが語り合う。今回は希少なヤマハ空冷2ストロークモデルの最終型「RD400デイトナ・スペシャル」に試乗! 【写真を見る】極上のヤマハ RD400デイトナ・スペシャルの細部(17枚)
仮面ライダー俳優、登場!
河西啓介(以下、カワニシ):押田岳さん、はじめまして! “ガク”くんと呼んでいいですか? ガクくんは「仮面ライダー」だったんですよね。 押田 岳(以下、押田):はい、2018~2019年に放映していた『仮面ライダージオウ』で仮面ライダーゲイツ/明光院ゲイツ役をやっていました。それがきっかけでバイクの免許を取ることにしたんです。どうせならと、大型二輪免許まで取っちゃいました。 カワニシ: 1960年代生まれの僕は仮面ライダー1号の時代から観てて、サイクロン号に憧れたなぁ。ジオウが乗っていたバイクは「ライドストライカー」でしたね。ところでガクくんは、自分のバイクを所有しているんですか? 押田:もちろん持っています。アメリカンタイプがいいなぁと思って、2年ほど前に中古のホンダ「スティード」を手に入れました。いろいろカスタムして気に入って乗っています。 カワニシ:似合いそうだなあ。旧車に乗ったことは? 押田:読んでいたマンガにも登場していましたし、憧れはありますけど乗ったことはないですね。旧車の知識がないので、もう少し勉強してからじゃないと乗れないな、という気持ちもあります。乗っているときに「コレいいですね」なんて声かけられたら、気の利いた返事を返したいですし。 カワニシ:じゃあ、今日は初めての旧車試乗ですね。国産絶版車の専門ショップとして有名な「ウエマツ」が、貴重なモデルを用意してくださるそうなので、さっそく行ってみましょう!
アメリカ市場最後の空冷2ストローク車
カワニシ:さあ、今回試乗するのはヤマハRD400デイトナ・スペシャルです。「RDシリーズ」は1970年代にカワサキのマッハやスズキのGTに対抗すべく登場した、ヤマハの2ストローク・スポーツバイク。最初は250ccの「RD250」と350ccの「R350」があり、1976年に400ccの「RD400」が追加されたんです。 押田:ヤマハだと「RZ」は知っていますけど、RDはその前身のモデルなんですね。 カワニシ:そうそう。1980年に登場したRZシリーズは、エンジンを水冷化してより高性能になったモデル。今回のRD400は1979年式で、空冷2ストロークエンジンを積んだ最終型なんです。400ccで40psという最高出力は当時のバイクとしては相当なパワーだった。それをヤマハのレーサー「TZ」譲りのフレームに積んでいたので、戦闘力はそうとう高かったはずです。 押田:ところ車名の「デイトナ・スペシャル」は何をあらわしているんですか? カワニシ:RD400はアメリカが大きな市場だったのですが、1970年代のアメリカは、クルマによる大気汚染の抑制を目的とした「マスキー法」が施行され、厳しい排出ガス基準が定められていました。その影響で排ガスの浄化が難しい2ストローク車は、徐々に販売できなくなってしまった。そこでヤマハは1979年をもってアメリカでの2ストローク車の販売を止め、最後の特別モデルとしてRD400デイトナ・スペシャルを送り出したんです。 押田:ヤマハがアメリカで販売した最後の2スト車なんだ。それは貴重ですね! カワニシ:デイトナはアメリカで最も有名なサーキットのある場所。1970年代の二輪世界グランプリでヤマハが活躍した地でもあり、オマージュとしてその名前を付けたんです。カラーも当時のヤマハのレーサーを彷彿とさせる白地に赤いレーシングストライプです。 押田:今回試乗させてもらうのもアメリカで走っていた個体ですね。とても45年前のバイクとは思えないほどキレイ!塗装も自然な感じで残っていて、オリジナルペイントのままなんですね。