「年収600万円」の中間管理職。家族のために働いていますが、正直「宝くじ」を当てて仕事をリタイアしたいです。現実的にいくら当たれば可能でしょうか?
「仕事を辞めたい! しかし養わなければならない家族がいる。宝くじさえ当たれば……」。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい? このような思いが脳裏によぎったことのある人は、少なくないのではないでしょうか。本記事では、家庭を持つ会社員が、宝くじがいくら当たれば仕事を辞めても生活できるのか、具体的に計算してみます。
家族の生活費は40万円ほど
総務省統計局の家計調査によると、2023年における1ヶ月当たりの生活費の平均額は、29万3997円(2人以上の世帯)となっています。 ただし、この約29万円に含まれている住居費は、約1万8000円である点に注意しなければなりません。あくまでも「平均」であるため、持ち家の人、家賃や住宅ローンがない人も含まれているからでしょう。 中間管理職の現役世代であれば、住宅ローンを抱えている人も多いと考えられることから、月々の生活費としてプラス10万円は必要と見ておくべきでしょう。本記事では月の生活費を約40万円として計算を進めます。
40歳から90歳まで生活するためには約1億7700万円必要
家族がいる年収600万円の中間管理職ということなので、現在40歳であると仮定し、配偶者は専業主婦(夫)、子どもは2人(10歳と7歳)の4人家族とします。 本人が90歳で死亡する(便宜上、配偶者も同時期に死亡と仮定)とした場合の生活費を計算してみましょう。なお、子どもが22歳で独立するまでの15年間と、子どもが独立した後の夫婦2人で過ごす35年間の2ステージに分けて計算します。 ■子どもが独立するまでに約7200万円必要 第2子が22歳で大学を卒業・独立するまでの15年間は月々の生活費を40万円と仮定すると、「40万円×12ヶ月×15年」で総額7200万円必要になります。 ■90歳で死亡するまでに約1億500円必要 子どもが独立した後、90歳で死亡するまでの35年間の生活費を計算します。総務省統計局によると、65歳以上の無職世帯の生活費の平均額は25万959円となっていることから、「約25万円×12ヶ月×35年」で約1億500万円必要です。 よって、40歳から90歳までに必要な生活費は、「7200万円+1億500万円」で約1億7700万円となりました。