女性絞殺事件の容疑者、30年後に特定 非営利団体の協力で 米ラスベガス
パズルを組み立てる
ベガス・ジャスティス・リーグは、少なくとも82件の事案に関わるDNA検査に資金を提供してきた。ウー氏によると、DNA検査には1件あたり約7500ドル(約115万円)の費用がかかる。検査に使われる高額な配列決定装置や、事件の全容解明を手助けする複数の遺伝学者や研究者が必要なためだ。 アンセル氏はCNNに対し、「すべての事件は必ず解決すると信じているが、調査には長い時間、数カ月、場合によっては数年かかることもある」と語った。 捜査官らが遺伝子系図を使って事件を解決するには、犯罪現場から収集した容疑者のDNAを分析し、ローデータファイルに変換したうえで、「GEDマッチ」などのデータベースにアップロードする。GEDマッチは、DNAによる遺伝子検査キットを提出した人々が祖先を調べたり、親戚を探したりするために使用されている。 GEDマッチは容疑者のDNAデータファイルを分析し、同サイトにデータをアップロードした容疑者の血縁者を特定する。次に遺伝子系図学者は、アップロードしたDNAの人物の家系図を作成し、家系図のどこに容疑者がいるかを特定する。 その後、捜査官は犯罪現場で見つかったDNAと一致するまで、親戚からDNAを収集し、逮捕につなげる。 この新しい強力な法医学手法は、ここ数年で法執行捜査官の間で広く普及。米国で特に難解な複数の未解決事件を解決するために用いられてきた。最大の功績はゴールデン・ステート・キラーと呼ばれたジョセフ・ジェームズ・ディアンジェロ容疑者の逮捕だ。ディアンジェロ容疑者は1970年代と80年代に12人を殺害し、50人以上に性的暴行を加えた容疑で2018年にカリフォルニア州で逮捕された。