米2年債利回りが今年最高の水準、ゴールドマンが利下げ回数予想修正
(ブルームバーグ): 18日の米国債市場では2年債と5年債の利回りが今年最高水準に上昇した。スワップトレーダーやゴールドマン・サックス・グループのエコノミストが米利下げ回数が減る見通しを示したことが背景。
米2年債利回りは昨年12月11日以来の高水準となる4.749%に達した後、上昇幅を縮小した。5年債利回りは4.367%と、11月28日以来の高水準を付けた。
金利スワップ市場では19日、6月利下げの確率が50%を割り込む場面もあった。米金融当局は7月以降、政策金利のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を5.25-5.5%のレンジに据え置いている。
リチャード・バーンスタイン・アドバイザーズの債券担当ディレクター、マイケル・コントプロス氏は「金融環境は緩和し、信用は自由に流れ、失業率は低く、インフレは根強く、利益成長は加速し、投機が活発化している。これは利下げを促す環境ではない」と語った。
スワップトレーダーらは年内の利下げ幅を合計69ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と予想している。12月のFOMCで当局者が示した予測中央値である75bpよりも少ない。
これはインフレと経済成長のデータが予想を上回ったことを受け、当局者が20日の会合終了時に公表する予測でより少ない利下げを示唆するリスクが高まっていることを示している。FOMCの金利予測中央値が上昇するには、参加者2人が年内利下げ回数の予想を3回から2回に変更するだけでよい。
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのマルチセクター債券投資責任者リンジー・ロスナー氏は、数学的には、ドット・プロット(金利予測分布図)の中央値が示す利下げ回数が3回から2回に変わるのは非常に簡単だと指摘。「最近のインフレ率を踏まえ当局が確信を強めようとして、利下げを今年の遅めの時期に先送りする方向に傾いた可能性を市場は織り込んでいる」と分析した。