【#今旬コレクション】兵頭功海、“究極のネガティブ思考”が徐々にポジティブに「根拠のない自信は大事だなと思います」
◆本作はオムニバスで兵頭さんのほかに、菊地姫奈さん、西垣匠さん、三原羽衣さん、草川拓弥さん、YUさんといった同世代の方も多く出演されています。他のキャストの皆さんのパートはご覧になりましたか? 三原さんとは以前映画「18歳のおとなたち」で共演したことがあるんですが、前回の作品とは全く違う雰囲気で驚きがありましたね。その他の皆さんもそれぞれの良さがあって、すごく刺激になりました。 ◆普段から同世代の俳優さんの活動が刺激になることはありますか? あります。特に最近はいい意味で刺激になってきました。デビューした頃は、ドラマを見ていて“あの人は出られるのに、なんで自分は出られないんだろう?と卑屈になってしまうこともよくあって。考えれば考えるほど落ち込んでしまっていたんですが、最近は「みんな頑張っているから自分も頑張ろう!」とポジティブに考えられるようになりました。 ◆先程のお話にもありましたが、どちらかというと物事をネガティブに考えてしまいがちなタイプですか? 究極のネガティブ志向です、僕(笑)。どちらかというと目の前のことに対して不安や悔しい気持ちを感じて悲観的になりがちで。例えば撮影中に“今の芝居、大丈夫だったかな”と気になってしまったり、次の仕事が決まっていないと“どうしよう”と不安になったり…。でも10年後や何十年先の将来に対しては、なぜか分からないんですが絶対的な自信があるんですよね。上京して仕事を始めた時も「将来は絶対大丈夫だ!」と思っていましたし(笑)。その根拠のない自信のおかげで前を向ける時もあるので、大事なことだなと思っています。 ◆ネガティブになってしまった時はどうやって気持ちを切り替えるようにしていますか? 一人で解決する場合もありますが、伊藤あさひ君や綱啓永君など仲のいい俳優仲間に話して気持ちを整理することもあります。同じ職業だからこそ理解してもらいやすい部分もありますし、自然と頼っている部分はあるのかなと。普段はくだらない話ばかりしていますが(笑)、そうやってたわいのない話をする時間もリフレッシュにつながっていると思います。 ◆考え方の変化に伴って、お芝居に対しての向き合いなども変わってきましたか? そうですね。どの現場でも学ぶことは多いのですが、特に『下剋上球児』の塚原(あゆ子)さんとの出会いは大きかったと思います。僕はこれまで演じる役に対して自分らしさみたいなものが見えない方がいいなと思って、役は役、自分は自分、と切り離して考えていたんです。でも、塚原さんから根室役を任せて頂いた理由や、僕が根室を演じる意味などを聞いた上で「あなたがこれまでの経験で感じた感情を役を通して表現してほしいし、その姿が見たい」と言われたときに、すごく腑に落ちたというか。「この人にこの役を任せたい」という理由でキャスティングしていただいているのであれば、なおさら自分らしさを出す意義みたいなものを感じたんです。おかげで、役作りや表現の仕方を含め、自分の芝居の核となる部分がしっかりと作れた気がします。