津田健次郎「敵役はいろいろなチャレンジができて面白い」
声優、ナレーターとして引く手あまた。近年では俳優としての活躍もめざましい津田健次郎さん。権力争いに野心を燃やす心臓外科医を演じているドラマ『グレイトギフト』に続き、『映画 マイホームヒーロー』で演じているのは、主人公の鳥栖哲雄(佐々木蔵之介さん)を追い詰める犯罪組織・間野会の“ラスボス”志野寛治。完成披露イベント後は、「ぶっ飛びすぎ!」「ヤバい!」とその悪役っぷりが早くも話題となっていた津田さんに、役づくりから現場でのエピソードまで【前後編】で聞いた。 オトナの成熟が生み出すやわらかな魅力に注目! 津田健次郎 写真集「ささやき」ビハインドショット一挙公開!【画像】
志野は「お酒を飲まないタイプの怖い人」と思って演じました
ーー2024年も俳優としての活躍が続いています。昨年放送された『情熱大陸』では、「お芝居はとにかく稽古」とおっしゃっていましたが、今作『映画 マイホームヒーロー』でも同様でしたか。 津田健次郎さん(以下 津田) そうですね、今回も稽古はたくさんしました。まずはセリフがすらすら出てくるようにしないといけないですし。ただ「動き」に関してはある意味瞬発力というか、「ノリ」でしたね。 もちろん「こんな感じかな」というものは事前に想定していますが、その後は現場に入ってから。実際に現場に入ってみないとわからないことが山ほどありますから。広い場所なのか、狭い場所なのか、足場がどうなっているかでも動き方は全然変わってきますし、このタイミングでどこを見て……という段取りなどもありますので、そのあたりを調整します。 ーー『映画 マイホームヒーロー』は、ドラマの最終話から7年後を描いた完結編。津田さん演じる志野は、映画の”ラスボス”です。かなりクセの強いキャラクターに仕上がっていましたが、どのように役作りをされたのでしょうか。 津田 事前に監督とお打ち合わせさせていただいた際に、「いわゆる普通の悪役ではなく、“クセの強い”新しい感じの悪役にしたい」とご相談をいただきました。そのタイミングで少しだけ台本を声に出して読んでみて、「こんな感じはどうでしょうか」と確認しながら役作りを始めて。 キャラクターの捉え方としては、もちろん原作を踏まえつつではありますが、ちょっと「映画ならでは」の部分があってもいいのでは、ということで膨らませていきました。暴力一辺倒の悪役というのではなく、知的さと共に残虐性もある、みたいな感じに。少しサディスティックな部分が見える人物像が描けたら面白いんじゃないかなと思ったんですね。 志野は、映画を観るなら「ポップコーンにコーラ」なのですが、「お酒ではない」というのがポイントで。「お酒に逃げないタイプ」、だけど「シラフでいっちゃってる人」みたいな怖さを意識しました。声のトーンはそこまで作り込んでいませんが、普通の人よりやや熱量が高い感じや、肉体的なリズムの取り方みたいなものは工夫しましたね。