F1、ジャンプスタートの取り締まりルール変更か? センサー未検出の問題受け話し合い進行
F1は現在ジャンプスタートに関するレギュレーションの改訂について話し合いを進めており、今後早ければ第6戦マイアミGPから新しいルールが適用される可能性がある。 【動画】ストロール、リカルドに追突。レース再開直前に大混乱|F1中国GP 現在F1は、マシンに搭載されたトランスポンダーによって動きを検出することで、ジャンプスタートを監視している。 しかしこのシステムは完璧ではない。シグナルがブラックアウトする前にマシンが動いたように見えたとしても、トランスポンダーがそれを検知していなかったことでペナルティを科されない事例が何度かあった。 直近では、2024年のサウジアラビアGPでのランド・ノリス(マクラーレン)の事例がそれにあたる。 ノリスはシグナルが消える前に動いている様子が明らかに捉えられていたため、ジャンプスタートの疑いで審議対象となった。しかしこのときトランスポンダーはジャンプスタートを検出していなかったため、お咎め無しの裁定が下っている。 当時の声明には次のように記されている。 「スチュワードはポジショニング/マーシャリングシステムデータ、ビデオ映像を検討し、ヴィデオはスタートシグナルの前に4号車(ノリス)が動いていることを示していると判断した」 「しかしながら、FIAが承認し供給してマシンに取り付けられているトランスポンダーは、ジャンプスタートを示していなかった」 「ジャンプスタートがあったかどうかの判断は、F1スポーティングレギュレーションの第48条1項a)では、トランスポンダーに従って行なわれると明記されている。しかしトランスポンダーは、ジャンプスタートを示していなかった。この状況では、我々はさらなる行動をとることはなかった」 こういった事例も出ている中、チームとFIAによる話し合いをきっかけとして、今後このルールに変更を加える可能性があると考えられている。つまりジャンプスタートの判断をトランスポンダーのみに頼るのではなく、レースコントロールがマシンが動いていることを明確に示している証拠を映像で認めた場合、ジャンプスタートがあったと認められるような方向を考慮しているということだ。 F1委員会がルール変更を実施するかどうかはまだ不透明だが、早ければ第6戦マイアミGPからルールに調整が入る可能性がある。 ただ情報筋によると、ジャンプスタートの判断が個人の主観に基づく問題になることを懸念するチームもあるため、全会一致で賛同されているわけではない模様。全ての動きをより適切に検出できるように、センサーの感度と精度を向上させることを重視すべきという提案もされているようだ。 ジャンプスタートとトランスポンダーの未検出の問題は、この数年で何度か発生している。2020年ハンガリーGPにおけるバルテリ・ボッタスや、2019年日本GPのセバスチャン・ベッテルも、今年のノリス同様に処分を免れている。
Jonathan Noble