「何で僕なんだ…」20代で3回の脳出血で右半身まひも…困難乗り越えパラ五輪へ パラアーチェリー・大江佑弥選手
KSB瀬戸内海放送
岡山県倉敷市出身でパラアーチェリーの大江佑弥選手(35)は、2024年に開かれるパリパラリンピックの日本代表最有力候補です。困難を乗り越え、大きな夢を掴もうとしています! 【写真】高校時代は、名門・倉敷商業の野球部に所属していた大江選手
アーチェリー、大江佑弥選手。弓を引くのは、手ではなく、口です。 高校時代は、名門・倉敷商業の野球部に所属していた大江選手。最後の夏は背番号8をつけ、レギュラーとして活躍しました。しかし…… (パラアーチェリー/大江佑弥 選手) 「27歳の時に脳出血で右半身まひの障害が残ってですね」 20代で3回の脳出血をし、体の右半身にまひが残りました。 (パラアーチェリー/大江佑弥 選手) 「ばたんと倒れてしまう脳出血じゃなしに、じわじわと出血していくタイプだったので最初入院した時は箸を使ってご飯も食べられていたし鉛筆で字もかけていたんですけど、だんだんと手が使えなくなって、最終的には動かない。何で僕なんだろうなって」 そんな中で出会ったのがパラアーチェリー。倉商野球部で培った負けん気の強さもあり、徐々に力をつけました。 日本ランキングは現在1位。2023年11月のアジア選手権で優勝し、パリパラリンピックの日本の出場枠を獲得しました。代表選手の正式発表はまだですが最も近い存在です。 (パラアーチェリー/大江佑弥 選手) 「始めたときから日本代表になって活躍してやろうという気持ちで始めたので。今となってはですけど……障害を負って良かったとは間違っても言えないですけど、『障害を負った人生も悪くない』と思えるまでになりました」 大江選手が取り組むのはアーチェリーの中でも「コンパウンド」といわれる種目。オリンピック種目の「リカーブ」で使う弓とは違い、弓に滑車がついているため引きやすいそうですが……。 (記者) 「あ……固い!」 屋外の試合では50m先の的に矢を当てるこの競技。弓の重さは5kg、引く力は25kgほどと言われています。 (パラアーチェリー/大江佑弥 選手) 「やっぱり始めた頃は首が筋肉痛になったり……今でこそそんなにならないですけど」 困難を乗り越え、倉敷市役所で働きながら調整を続ける大江選手。目標とする世界の舞台は射程圏内です。 (パラアーチェリー/大江佑弥 選手) 「地元の方もたくさん応援してくれているので『倉敷から世界へ』ということを思って日々努力しています」
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