古橋由一郎HCから「ようやったな」と言われるように "一番弟子"のDLは人生をかけて最終戦へ「ここぞというとき止めたい」
チームに対する思いや生活習慣を見直させてもらった
大学2年目を迎えるにあたり、古橋さんがチームに加わることになった。前述の伝説のペップトークをYouTubeで見たことがあったから、「あの人が来るんか」という驚きがあった。DLのテクニックを教えてもらえるという喜びもあった。 そして古橋さんがやってきた。中山が振り返る。「古橋さんには『このチームにはまだまだ悪い近大らしさが残ってる』と喝を入れられてきました。それとDLの技術面ではすごく上達しました」。今年の6月から7月にかけてはU20世界選手権の日本代表の一員として、カナダ遠征を経験。いろんな刺激を受けて臨んだ秋シーズンは、第2節で関西大学を35-31で下した。その後は立命館大学、関西学院大学に敗れ、神戸大との最終戦を残すだけとなった。 「古橋さんが来てくださってから、僕自身のフットボールに対する思いがすごく変わりましたし、チームに対する思いや普段の生活習慣という人間性の部分を見直させてもらったので、だいぶ変わりました。もう師匠だと思ってます」と中山。そう言いつつも最近、寝坊して練習に約1時間遅刻した。そのとき初めて古橋さんとマンツーマンで30分ほど話した。「自分のよくない人間性が出てしまって遅刻しました。反省しました」
古橋さんに「ようやったな」って言われる試合に
いざ神戸大戦。古橋HCは前節の試合後、「トーナメントどうこうじゃなく、神戸大学に負けられへんやろ」。そして「次は人生をかけた戦いや」と努めて静かに、選手たちに語りかけた。その心について古橋HCは「もう神戸大学に勝っても負けてもどっちでもええわというチームじゃないやろと。もう一段上のチームを作ってるんだから、絶対に負けられない。プライドを持てと伝えたかった」と話した。中山はその言葉の受け止め方について、「チーム全体に関大に勝ってからの浮つきみたいのがまだあって、そこをどれだけ修正して、チームの一体感というか、関大戦のときのような試合ができる状態になれるのかという話だと思います」と語った。 古橋HCは中山について、「いいですよ。ディフェンスの中心的な存在だと思ってます。ちゃんとやろうとしてますし、もう少し体が大きくなれば、いい選手なるはずです。次の試合では彼をどこに置くかもポイントになってきます」と話した。中山はネット中継のひとことコメントに「古橋さんに怒られないように頑張ります!!」と書いている。そしていまはこう思っている。「神戸戦は古橋さんに『ようやったな』って言われる試合にしたい」
篠原大輔