トランプ勝利に市場は敏感に反応…「トランプ・トレード」で株価、国債利回り、ビットコインが急上昇(海外)
ドナルド・トランプの大統領選勝利に市場は敏感に反応している。 米国債の利回りとドルは上昇しており、株式先物と暗号資産も大幅に上昇している。 トランプ氏のほぼ普遍的な関税と不法移民の国外追放計画は、インフレ率の上昇を促すと予想されている。 前大統領が米国大統領選で勝利を収めた後、投資家たちは「トランプ・トレード」に注目している。 ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は2024年11月6日未明(現地時間)にウィスコンシン州で勝利を収め、選挙人の過半数を獲得した。 この勝利により、数カ月間、トランプ前大統領の当選確率に左右されていた、いわゆる「トランプ・トレード」が継続されることになった。トレードの中心となるのは、トランプ氏のほぼ普遍的な関税と不法移民の国外追放計画であり、これらはインフレ率を押し上げるだろう。 トランプ氏の当選を受けて市場がどのように動いているか、以下に概説する。
米国債の利回りが大幅に上昇
米国債のベンチマークとなる10年物利回りは、7月初旬以来の高値となる4.48%まで21ベーシスポイント上昇した。アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策変更に最も直接的に反応する2年物利回りは、9ベーシスポイント上昇し、4.27%となった。 トランプ氏の勝利はインフレ要因と見られており、物価と賃金の上昇につながると考えられている。 投資家は、トランプ氏の政策でFRBが金利を大幅に引き下げることは難しくなるだろうという見解に基づき、数週間前から利回りの上昇を織り込んでいた。特にインフレが激化した場合にその傾向が強まる。
米ドルが急騰
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は1.7%上昇し、直近4年で最大の上げ幅を記録し、2023年11月以来の高値を付けた。 ドルはG10のすべての通貨に対して上昇し、ユーロと円に対しては1.7%を超える上昇となった。 また、ドルはメキシコ・ペソに対して一時3.5%上昇した後、上昇幅を縮小した。トランプ氏がメキシコに移った製造業をアメリカに戻す「リショアリング」(国内回帰)を望んでいることを踏まえ、この通貨ペアはトランプ氏の当選可能性を示す先行指標と見られていた。 トランプ氏の政策によって予想されるインフレ傾向により、金利は上昇し、FRBは金融政策の引き締めを迫られる可能性があり、現在の緩和策を転換する可能性がある。金利上昇は、さらなるドル高を支えるだろう。