中高生へ「好きな洋服をどうぞ」 おしゃれ楽しみ居場所つくりへ 大学生が企画1600着を提供
【西原】好きな服をどうぞ-。家庭の経済状況を問わず、中学生や高校生の年代なら誰でも無料で衣服がもらえる「0円マーケット」が18日、沖縄県西原町のクリード西原マリンパークで開かれた。県内の大学生5人によるボランティア団体「彗(sui)」が、衣食住の「衣」に焦点を当てて子どもたちの力になろうと初めて企画した。約150人が訪れ、親子連れや友人同士で思い思いに好みの服を手に取った。(浦添西原担当・新垣玲央) この記事の他の写真・図を見る 彗の発足は昨年11月。子どもの居場所ボランティアに携わる琉球大学4年の饒平名凜さん(21)=南風原町=が「子どもたちとつながりながら何か自分にできることをしてみたい」との思いで立ち上げた。 子どもの貧困問題などで食の支援は広がっても、衣類に関しては少ないと感じていたといい、「おしゃれを楽しみながら中高生ともつながれそう」と発案。活動ビジョンなどが一致した琉大の同級生3人、沖縄国際大の1人と共に「子ども食堂ならぬ『子ども服屋』」と称して始動した。 いらなくなった衣類を集めるため友人知人に呼びかけ、大学内に回収ボックスも設置。マスコミ報道や口コミでも広がり、最終的に1600着以上が集まった。運営費を募ったクラウドファンディングでは、約1カ月で目標額を上回る23万円余の寄付があった。 マーケット当日は、企画に共感した高校生4人や大学生計約20人が協力。饒平名さんの地元である北丘ハイツ自治会もテントやテーブルを無料で貸すなど支援の輪が広がった。 もらえる衣類は1人5着まで。〈大切に着ます。ありがとうございます〉〈高くて、もってる服が少なくて、うれしかったです〉。会場の感想用紙にはたくさんの感謝の言葉が並んだ。 ポスターやインスタグラムを見て活動に参加した北中城高2年の山内梨鈴さん(16)は「学生はお金がないから助かるし、アイデアや行動力がすごい。いろんな考えや刺激をもらった。自分たち世代でも生かしたい」と声を弾ませた。 家族で訪れ、パーカなどをもらった与那原中2年の﨑原鍛さん(13)は「大学生や高校生だけでやるのがすごい。広く知ってもらって、もっと身近な活動になってほしい」と望んだ。 饒平名さんは「おしゃれをしたらみんな気分が上がるし、子どもたちの力にもなれる。もっとコミュニケーションが取れる場にするのが理想。みんなで新しい形の居場所をつくりあげていきたい」と話した。